第49話

Chapter 49
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2017/12/29 09:13
私は先生に続いて、急いで出た。

「お待たせ〜。」

リビングでテレビを見ている千紗に声をかける。

「いーえ、ごめんね、急に来ちゃって。」

「大丈夫だよー。心配して来てくれたの?」

「まぁーね。うふふ。」

「もう、千紗好きー!」

「私もあなた好きー!」

私は千紗に抱きつき、千紗も私をだきしめてくれた。

あ〜、幸せ〜。

こういう友情を感じられるのも良い。

「あ、そういえばお父さん帰って来てるの?」

「え?なんで?」

「だって、玄関に男の人の革靴が置いてあったけど。」

あっ…。それ先生のじゃん…。

「あ、そっか、なるほどね。昨日お父さんがいたんだけど、違う靴で行ったみたい。」

スラスラと嘘が出来たことに、自分でも驚く。

千紗に嘘をつく。

それは、小さな事でも心に引っかかった。

本当は、全部言いたい。

私が、先生を好きな事も…。

でも、それは先生に確認してからにしよう。

もしダメなら…隠すしかない。

「なるほどね。ねぇ、あなた。」

「んー?なに?」

私は紅茶を淹れようと立ち上がりながら言う。

「好きな人できた?」

「えっ!?な、なんで?」

「いや、なんか最近可愛くなったなぁ。って。思ったから。」

「い、いや!そんなわけないじゃん!?」

「そー?なんか、普通に乙女感が増したって言うか?なんて言うか…ね!」

「ね!って言われても…。」

「まぁ、そっか。でも、好きな人できたら教えてよ〜??」

「わかった。千紗もね!」



それから、昨日の私が倒れた後の事とか、今日の出来事を話してくれた。

「あ、そう言えば、あなたが倒れた時、高橋先生かっこよかったよ!」

「え?」

どう言う事?もしかして、バレたのかな?

「いやぁ、一目散にあなたに向かって行って、お姫様抱っこで保健室まで運んで行ったんだよ!」

「そ、そうなんだ。」

うわぁ。恥ずかしい。

「で、でもさ、そんなの生徒だったら誰でもするでしょ。」

「どーかなぁ。先生、必死だったし。」

ニヤニヤしながら見てくる。

「いや、待って。あの見た目で誰が好きになるの?」

「いや、待って。誰もあなたが先生を好きなんて言ってないじゃん。先生があなたをだよ?」

私をマネするように言う。

「えっ?」

そう言う事?

「ありえるかもよ?」

再びニヤニヤしながら言う。

「いや、ありえないな。」

ありえて欲しい気持ちもあるけど、、

ないかな…。



そのあと、30分程話したところで、千紗が立ち上がった。

「じゃあ、そろそろ帰ろうかな。あなたもちゃんと体調しっかり整えてね。」

「うん、ありがとう。またね。」

私は玄関まで見送り、部屋へ向かった。

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