第64話

Chapter 64
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2017/12/29 09:14
((準備室の設定にします))

「あなた。」

名前を呼ばれ、先生を見上げる。

そして、先生と目が合う。

が、すぐに逸らしてしまう私。


あぁ、もう。

なんなのよ、自分。


「ごめんな。」


先生は静かに言う。


先生…。


ごめんを言うのは私の方だよ…。



「だ、大丈夫だよ。生徒が先生に恋しちゃいけないって分かってるし。」

「その恋が報われないってわかってる。」

「ただ、私は先生に気持ちを伝えたかっただけ…」

私は大きく息を吸い込んでその息を吐き出すように言う。


「ごめんね…好きになっちゃって。」


その一言が自分の中に染み渡っていく。


ヤバい…泣いちゃいそうだよ。


「今までの関係が一番良かったのに。それを私が壊しちゃった。」


ごめん、ごめんね、先生。


「私が前に、なんでこんなことまでしてくれるの?って聞いたけど、

それはただ単に私が先生の生徒なだけで…。」


そこまでいった時、先生が何か言おうとした。

でも…

ピーンポーンパーンポーン

『高橋先生、高橋先生。至急職員室までお戻りください。』

と、校内アナウンスが流れた。

「先生、行って。」

「でも…」

「私と話すのなんていつでもできるでしょ?」

私は先生に歩み寄り、前髪をボサボサにして、机に置いてあるメガネをかける。

「よし、出来た。行ってらっしゃい。」

と、白衣を、差し出す。

先生は、考え込むように、しばらく私を見つめる。

私はその時、目をそらさずにじっと先生を見た。


「…ありがとう。行ってきます。」


そう言うと、先生は私から白衣を受け取り、足早に去って行った。

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