ー千紗目線ー
「続いて、美男の紹介です!」
イェーイ!とみんなは盛り上がる。
先生来るかな…。
ー1時間程前ー (千紗目線続きます。)
「あ、そうだ、先生にグランプリでるか聞いて来たら?」
私はあなたに聞いてみた。
「んー、正直話したくない…。」
「そっか、じゃあ、私が聞いてこようか?」
「本当??ありがとう。」
あなたは優しく笑う。
可愛いなぁ。
「よし、じゃあ、行ってくるからここで待ってて。」
「うん!行ってらっしゃい!」
コンコン
「先生〜?」
私はドアを開けながら言う。
すると、クルッと椅子をこちらへ向ける。
「あぁ、なんだ、お前か。」
「 残念でしたぁー。ごめんね、あなたじゃなくて。」
「いや、別に。」
そう言いながらまた、パソコンへ向かう。
素直じゃないなぁ。
「先生、美男美女グランプリに出ない?」
「なんでだよ。しかも、俺が出て何になる。」
「いいじゃん、出ようよー!あ、もちろん執事の格好してね!」
「嫌だ。」
即答かよ。
「ふーん、あれだよ?グランプリとったら、賞金貰えるし、なんか一言言えるよ?」
「しかも、その一言で告白する人とか多いんだって。」
ロマンチックだよねぇ〜。
「だから?」
もう!“だから?”じゃなくて!
「ったくもー、男なんだからちゃんとしろよー。」
「小林にどうこう言われる筋合いねーよ。」
「…ひねくれ者め。」
私はボソッと言う。
「なんか言ったか?」
「言ってませーん。じゃあ、来てね。2時から体育館だから、よろしく。」
「おい、ちょっと、待て…」
私は何か言われる前にそそくさと準備室を出た。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。