「お、陸だー。久しぶり。」
先生が出ていった後、少ししてから陸が入ってきた。
陸も人気で女子達はキャッキャしている。
うん、陸も普通にイケメンだと思う。
しかも、執事の制服似合ってるし!
「いや、さっきも会っただろ。」
「あはは、まーね。」
「あれ、“萌え萌えキュンキュン”した?」
「いや、流石に執事だからやらんわ。」
「あ、そっか。」
執事が“萌え萌えキュンキュン”してたらちょっと、というかかなり引くわ。
「なぁ、最近なんかあった?」
「え?」
陸は、幼馴染で幼稚園から今まで同じ学校。
なんでもお見通しかな?
まぁ、千紗みたいに一瞬で気づきはしないけど。
「なんか、昨日?一昨日?目が腫れてたし、最近なんかくらいじゃん?」
「そ、そうかな?」
「うん、なんかいつもと違う。まぁ、なんかあったらちゃんと言えよ?相談乗るし。」
「うん、ありがとう。」
こういう所は優しくて頼りになる。
「あ、そうだ。駅前のクレープ屋連れてくって約束!忘れてないよね??」
1,2週間前にノートを見せてあげた代わりにクレープを奢ってくれると約束した。
「あ…。チッ、忘れてるかと思ってたのに。」
「うわぁー!ひどーい!ちゃんと連れてってよね、こんな可愛い子とデートできるんだよ?
嬉しいでしょ?うふふっ」
「はいはい、文化祭終わったらな。」
陸はめんどくさそうに言う。
「うん!絶対ね!」
私はそう言いながら、接客に戻った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。