私たちは、後夜祭メインの野外ステージへ向かった。
遠くからでも聞こえるくらい大きな音でノリノリな曲が流れていた。
今は、ダンスの発表をしているようだ。
「あっ」
千紗が小さく声を漏らした。
どうしたのかな?
と思い、千紗の目線を追う。
おお!
千紗が好きな先輩だぁ!!
「恋してますね〜」
すかさず冷やかした。
「うふふっ、してますねぇ。」
千紗は嬉しそうに笑う。
「やっぱりさ…あなたの言う通り、『好き』って気持ちが溢れてくるよね。」
「うん、そーだね。」
私は、そう言いながら、千紗を見る。
真っ直ぐ見つめる視線の先には先輩がいる。
そして、愛おしそうに先輩を見つめる。
私はどうだったのかな?
私は…先生の事をどんな風に見ていたんだろう。
ふと気になった。
そのまま、ダンスの発表を見ていると不意に肩を叩かれた。
「あなたちゃん」
私は振り返る。
「あっ、青木先生。」
いつ見てもイケメンだなぁ。と思ってしまう。
「直樹と一緒じゃなくていいの?せっかくの後夜祭なのに。」
「えっ?」
「ねぇ、昨日の告白ってさ、あなたちゃん宛てだよね??」
「えっと…」
な、なんて答えればいいのかな…?
というか、話しちゃっていいの??
うーん、と迷っていると、後ろから声がした。
「あんまり、藤咲さんをいじめないでもらえますか?」
「せ、先生!」
私は、なんだか嬉しくて声が上ずった。
「え〜、だって知りたいんだもーん。」
「可愛く言ったって何にも変わりませんよ。」
「なんだよ、堅苦しいなぁー」
「隠してるんだから仕方ないでしょう。」
「隠さなくても良くね??めんどくさいだけでこんなんするよりさ。」
「まぁ、たまにそういう事も考えますけどね。」
「あなたちゃんはどう思う?」
急に振られて戸惑う。
「えっと…でも、ダサくなくしたら、きっと、みんな先生のこと好きになっちゃうし…」
「あなた、可愛い!!」
今まで話に参加していなかった千紗がとっさに言う。
「んね、あなたちゃん可愛い。」
『嫉妬しちゃうんでしょ??』
青木先生と千紗が同時に言った。
私は顔が赤くなるのを感じた。
そ、そっか。
嫉妬しちゃうんだ。
「で、でも、ずっと、ダサくない先生でもいいと思う…」
これも私の正直な思いだった。
「うーん。まぁ、正直私もどっちでもいいと思うよ?」
千紗も私に続いていう。
「そっか、だってよ?直樹。」
「だってよ?っていわれましても…まぁ、バレたらバレたでしょうがない。」
先生がそういうとは思わなかった。
絶対このままがいい。っていうかと思ってたのに。
「じゃあ、僕はこれで失礼しますね。」
先生はそう言ってそそくさとどこかへ言ってしまった。
「つまんないなぁー、じゃあ、俺もクラスのやつと居ようかな。またね!」
青木先生も、どこかへ行ってしまった。
私と千紗は、そのままステージ発表を見て後夜祭を楽しんだ。
ーさなからー
おはようございます!こんにちは!こんばんは!
さなです!
よかったぁ。間に合ったー!
昨日、「明日は必ず更新します!」とか言ってたんですけど、正直何にも考えてなくて…😅
土日に入るので、更新のペースも上がると思います✨
土日に完結するかなぁ。
予定としては、次から先生と花火を見るChapterにしようと思ってるので!
という事で、最後までみてください〜💕
あ、もちろん続編もみてくださいね??笑笑
よろしくお願いします🙇♀️🙇♀️
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!