第28話

どっち。
904
2017/12/12 07:55
私の心は、私の想いは、誰に向いてるの、どこに行ってるの。


その問いかけが頭の中をぐるんぐるんと回っている。


本当は柊真への気持ちを疑い始めた時点で、別れるべきなのかもしれない。


でも、確かに存在する。


柊真が好きって気持ち。


たまにある、一緒に帰れる時間は胸がドキドキする。


じゃぁ雄太のことはなんとも思ってないの?


そう聞かれたら、首を縦には振れない。


多分、気になってる。


2人を同時に好きになるなんて、ある?


「…あなた、どーかした?」


「えっ。」


隣を歩く柊真に聞かれてハッとする。


「いや、ちょっと、考え事。」


「…そっか。」


ほら。


こうやって、話しかけてくれる時もあるんだけど、スグに2人とも黙っちゃうんだ。


私が話さないのもいけないと思う。


でも、何話したらいい?


変なことを口走って、柊真を傷つけたくはない。


最近ずっと考えてるのは、私が誰を好きなのか。


だから、もし私が一方的に話し出して、焦りや緊張が襲ってきたら…


…やらかしかねない。


絶対変な事言っちゃう。


「じゃあな。」


「うんっ、バイバイ。」


いつもの分かれ道。


ここからは別。


何事もなくてホッとしてる。


あーぁ。


こんな気持ちで付き合ってたら、柊真に失礼かな。


でも柊真が好きなことは事実なんだよ。


だから、私から別れの話を切り出したくはないんだよ。


ねぇ、私の気持ちは。


ねぇ、柊真の気持ちは。


前よりも近づいてる?


それとも、離れていってる?


きっとその答えはー…

プリ小説オーディオドラマ