第5話

手紙
423
2017/12/14 12:56
あなた

何するんで...すか...

目を開けると、そこには何もいなかった。
殺風景なビルの屋上に私が1人
ポツンと取り残された。
あなた

何だったんだろ。

あなた

...夢かな?
うん夢だきっと。夢。悪夢。

そっと頬に触れてみると
まだ死神の冷たい唇の感触が残っていた。
あなた

......帰ろ。

自殺しようなんてことはすっかり忘れ、
首をかしげながら1人家に帰った。
お母さん
おかえりー、あなた手紙きてたわよ。
...もしかしてラブレターかもよ?
手紙なんて今どき古風ねえ笑
あなた

なわけないじゃん、ちょーだい。
そういえば今日のご飯なーに?

お母さん
んーとね、ローストビーフとー、
味噌汁とー、チャーハン。
あなた

んんん!!??

お母さん
え、何よ。
そんなに驚くことないじゃない!
我ながら変な組み合わせだとは
思ったけど...
あなた

え!?あ、何でもないよ。
組み合わせなんてなんでもいいよ...

私が驚いたのは手紙の差出人だ。
死神
死神
『 死神より 』
あれは夢じゃなかったんだ。
この手紙はなんだろう。
まさか本当にラブレター...
いや、きっと誰かのいたずらだ。
中身は不幸の手紙か何かに違いない。
お母さん
なによ考えこんじゃって。そんなに嫌なら食べなきゃいいでしょ!
あなた

だから違うってばー!









母の謎の組み合わせのご飯を食べ終え、
自分の部屋に戻り手紙を開けた。


嫌な予感は当たっていた。
手紙は熱烈なラブレターだった。






...死神からの。

プリ小説オーディオドラマ