第6話

ラブレター
347
2017/12/19 09:09
死神からの手紙。
こんなにも読みたくないと思った手紙は初めてだ。
でもそのまま捨ててしまうのも気が引けた。
思い切って封筒を開け、便箋を取り出す。
うわ、意外と綺麗な文字だこと。
案外短い手紙だな。
死神
死神
親愛なるあなた様へ


いかがお過ごしですか?
さっき会ったばっかりだけどね笑
君のことだから面倒くさがって夢だとでも思い込んでたでしょ?
ざんねーん現実でした。

僕は実在してるんだよ?死神だけどね。

率直に言おう。僕は君のことが好きです。
一目惚れってやつだね。
だから自殺なんてさせない。
おまじないも掛けたろう?君は絶対に死ねないよ。

君が僕にOKの返事を出してくれるまで僕は告白し続けるよ。
覚悟しておいとよね。大好きです。





死神より
あなた

はあああああ

読み終わると私は深いため息をついた。
疲れた。
私がOKをだすまで...
あの人は私に付きまとう気なのだろうか。
これから先のことを考えると気が滅入った。

あなた

よく分かんないな。あの人。
あ、人じゃないか...

独り言を言っていると
母がひょっこり現れる。
お母さん
ねーねー
どう?ラブレターだった??
どんな子?イケメン?
あなた

だからラブレターじゃないよ!

母に死神からのラブレターだなんて言えない。
お母さん
えー?
お母さんつまんなーい。
じゃあなんの手紙だったのよー
あなた

......友達からだよ。

死神の友達なんて絶対にいらないけどね。

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