第14話

見える
281
2017/12/30 08:45
死神
死神
おはようあなた。
あなた

...おはようございます

開けたカーテンを再び閉める。
死神
死神
閉めないでよぉ
あなた

遅刻しそうなんで
今日は勘弁して下さい。

死神
死神
今日は...?
死神の目がキラキラする。
あなた

間違えました。
この先ずっと来ないでください。

死神
死神
素直じゃないなーあなたは。
バンっっ

叩き付けるようにドアを閉める。
あなた

はぁ...もう...。

何でか心臓がドキドキしてる。

いや、好きとかじゃないから。
朝っぱらから死神の顔見て
ビックリしちゃっただけだから。

一人でブツブツ言っていると、
お母さん
...あなた。遅刻するよ...
あなた

はい...

お母さんがリビングに戻る。
お母さん
お父さぁぁぁぁん
小太郎がぁぁぁぁ
あなた

お母さんホントやめてえええええ







お父さんの暑苦しい視線に
耐えながらの朝ご飯はあんまり味がしなかった。
あなた

行ってきます。

あみちゃん
あみちゃん
あ、おはよーあなた!
玄関先にあみちゃんが立ってた。
あなた

あ、あみちゃん。おはよ...
どしたの?

あみちゃん
あみちゃん
え?今日私達日直だよー?
あなた

日直は一昨日終わったでしょ?

あみちゃん
あみちゃん
うっそまじで。
あなた

まじまじ。

あみちゃん
あみちゃん
あは...まぁいいじゃんか!
一緒に行こ!
あなた

ん。

あみちゃん
あみちゃん
ねぇ小太郎。
あなた

なぁにあみちゃん。

またあの話だろうか。

少し身構える。
あみちゃん
あみちゃん
あなたの横にいる人誰?
あなた

え!?

バッと横を見る。
いつの間にか死神が隣を歩いてる。
死神
死神
この子見えちゃう子だね〜
私にだけ聞こえるように死神は
囁いて消えた。
あみちゃん
あみちゃん
あ、消えた!
やっぱり幽霊だ〜!
あみちゃんが驚いた声を上げる。
あなた

え、え〜!
私の横になんかいた〜!?
こ、怖ぁーい...

あみちゃん
あみちゃん
きをつけてねあなた。
あなた

あみちゃんって「見える」んだね。

あみちゃん
あみちゃん
うん。ちっちゃい頃からね。
あなた

知らなかったな〜
なんで教えてくれなかったの?

あみちゃん
あみちゃん
それはお互い様じゃない?
あなた

え...

あみちゃん
あみちゃん
ほらー、遅刻しちゃう!
走ろう!
あなた

う、うん。








やっぱりあみちゃんは鋭い。

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