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第1話

変わらねぇ日
1,754
2017/12/10 02:58
今はラストの授業。終了までは、あと5分ってとこか。
椅子に浅く座り、足を組む。一番後ろの席が、改めて有難いと思う。
牙河羅
牙河羅
ダリィ…
国語のセンコーは、やり方が眠い。
読んで聞いての繰り返しだ。んで、小っさくあくびしちまう。それもなぜかバレて怒られる。
そもそもてめぇがやり方変えれや!って言いてぇんだけども。
センコー
はい、これで授業は終わります
どでかいチャイムが響き、委員長が「終わりまーす」って挨拶。もちろん、オレは何もしなかった。
みんな荷物まとめ始めて、担任が教室に入ってきた。
カイちゃん
カイちゃん
みんなー、早くHR終わらせて帰ろー!
その後に「みんなも早く帰りたいでしょ〜?」なんて付け足すが、こちとらそこまでアホじゃねぇ。
虎愛
虎愛
それさぁ、ただカイちゃんが早く帰りたいだけでしょ?自分の欲のためでしょ?
目の前の席に座る虎愛が、オレの思ったことを代わりに言う。こいつは昔っから一緒にいるダチ、いわゆる幼なじみだ。
牙河羅
牙河羅
性格悪いぜ?カイちゃんよ
カイちゃん
カイちゃん
お前らなぁ。『カイちゃん』はやめろ!せめて『カイちゃん先生』に…
牙河羅
牙河羅
いや、せめてがダサいぞ
カイちゃん
カイちゃん
お前が態度悪いくせに成績いいのムカつく
虎愛
虎愛
ありがと、カイちゃん
カイちゃん
カイちゃん
虎愛、お前じゃない
黒板から最後尾の席で繰り広げられるこんな会話を、クラスメイトは笑って見てる。
カイちゃん
カイちゃん
もういい!ほら、HR始めよ!
カイちゃんは強制的に会話を終わらせ、HRを無理やり始めた。

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