週末は終わり、また学校。今学期も遂に、ラストの週に入った。
みんなウハウハやってる中、オレは一人頭を抱えていた。
いつもなら、一緒になってカイちゃんをいじってる。でも今は、それどころじゃない…。
顎を机に付けて言う。
目の前の二人はキョトンとしてた。
オレは呆れて、ため息しかできなかった。
あの後、オレらは腰を下ろし、少し話をした。
あなたはとても自信なさそうに言って、オレは少し驚いた。
なぜあなたなのか。「可愛いから」…なんて言葉は、すぐ出てこなかった。たしかに可愛いが…。
あの時のことを、脳裏に描き起こす。その時に見た景色は、影までハッキリと覚えていた。
強い奴ほど、弱いものはない。自分が弱いから、強くなる。普通の話だ。
それはたぶん、オレが一番わかってる。
こんな世界で生きてけば、自然と色んなものが染み付いてくるんだわ。
するとあなたは、いきなり立ち上がって「じゃあね」と言って、歩いていった。
その声は妙に暗く感じた。
何か気に障るようなこと言ったか?もしかして、気持ち悪かったか?
そんな疑問が浮かぶ中、今更オレは気がついた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。