第13話

か、関節、キs…
851
2019/03/19 20:23
虎愛もカイちゃんも、腹抱えて笑ってる。
オレは笑いもせず、怒りもしなかった。
牙河羅
牙河羅
連絡先聞いときゃよかった…
虎愛
虎愛
ちょっ、後悔とかお前らしくないんだけど…
カイちゃん
カイちゃん
牙河羅が悩んでる…
牙河羅
牙河羅
笑って言うな
もう何度ため息をついたか…。
改めて、昨日気持ちが高ぶってた自分が恥ずかしい。そりゃ勘違いするわ!抱きついてくるんだから!
彼女の『嫌じゃない』は、『別にいいよ』っつうことかもしれねぇし?抱きついてきたのは、とりあえずって可能性あんだろ!このドアホがぁ!
牙河羅
牙河羅
…海行っか
結局そうなった。
HRが終わって、早足で海へ向かった。長期戦に備えて、昼用のパンのうちの一つ持って。
いますように、いますように、なんて願いながら向かったものの、人影は全くなかった。
牙河羅
牙河羅
早かったか…?
期待したぶん心は痛かったが、別に寝てもいいんだと思うと、ちぃっと待つ気が起きた。
砂まで行くとパンが汚れそうだから、前に虎愛たちといた堤防の上に登った。
牙河羅
牙河羅
んで太平洋側はムシムシして暑いんだよ
多少イライラしながらも、手元のバッグから水の入ったペットボトルを出して、一気に喉へ流し込んだ。
飲み口から口を離す。潤った唇の雫を舌で舐め取り、ペットボトルに蓋をした。
あなた

残ったやつ、もらってもいい?

牙河羅
牙河羅
ほらよっ
あなた

ありがと

牙河羅
牙河羅
へいへ、い…んぁ!?
ボケっとしすぎて、特に何も考えずペットボトルを後ろの声に渡していた。
牙河羅
牙河羅
お、お前!いつからいた!?
あなた

今来た

牙河羅
牙河羅
声かけやがれ!
あなた

かけたじゃん

驚くオレの目の前で、あなたはオレの渡した水を、気持ちよさそうに飲んでいた。よく見ると、首筋には水滴がいくつか流れてる。
彼女はぷはっ、と言って飲み口を外し、まだ水の残っているペットボトルをオレに渡してきた。
あなた

残ったの返す

ある意味、ファーストなんちゃらを奪われた。

プリ小説オーディオドラマ