時は進んで夏休み。暑すぎる日が続くくせにムシムシするこの地域は、毎年毎年腹が立つ。
が、今年の夏はそうでもなさそうだ。
人混みは嫌いだから家にでも迎えに行こうとしたが、あなたに断られた。理由は知らんが何か隠すように…って、浮気か?
今思うとかなり不安ではある。が、今声がしたつてことは来てはくれたってことだ。正直安心してる。
声の聞こえた方へ、俺は足を進めた。
横にはいつの間にかあなたがいた。ただいつもと違って、なんつうか…
言ってしまった…案の定、あなたは固まってる。
普通なら怒る、可愛いってワードが俺に会うわけねぇし。てか、あなたに言われるのが一番嫌だ。
でも…
先に歩いてった腕を掴んで言った俺の言葉に、あなたは面食らったのか耳まで赤くなってた。
浜であった時より、あなたの顔は明るくなってきてる気がする。打ち解けてもくれてる。
それがただ、今は嬉しい。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。