第15話

1,776
2017/12/23 10:28
私が太陽を好きになれば。先生を諦めれば。
誰も悲しまない。みんなが幸せになれる。

だったら私は_
「あ。あなた。もう下校時間過ぎてんぞ。」


今1番会いたくないのに。なんでこういう時に先生に会っちゃうんだろう。


『帰ります、さようなら。』

「ちょっ...と待て。」

『いやっ...!離して!』


あっ....。


「瀬戸と何話してたんだ。」

『なんで私が太陽と話してたこと知ってんの?』

「授業中に約束してたろ。だから。」

『そうですか。』


なんか。泣きそう。変になりそう。


「質問答えろって...」

『先生には関係ないじゃん!!!』

「えっ...」

『先生がもう近づくなって言ったんですよね?だから私無理して距離あけて。悩んで。なのになんで...』

「あなた...」

『私。太陽のこと好きになりますから。先生のことなんて好きじゃなくなりますから_!』
言ってやった。いや違う。言ってしまった。


ザーザーと降る雨の中、私は傘もささず走って帰って行った。

濡れれば泣いてるのバレない。
雨の音で、
この胸のざわざわなんか聞こえなくなるように__

プリ小説オーディオドラマ