もう俺のことを諦めてほしいとでも
言われるのだろうか。
放課後残ることが嫌で嫌で仕方ない。
“ 私高塚先生に告ろっかなー。 ”
え?!
たまたま聞こえた会話に耳をすます。
“ 由麻ちゃんずっと好きだったもんねー ”
“ 先生もさ、由麻ちゃんの手伝いとかよくしてたし!
脈ありだと思うよー?? ”
“ マジでー!言うわ、今日!放課後教室に先生いるんだよね! ”
え...
じゃあ私はいない方がいいのかもしれない。邪魔になっちゃう。
- - - - 放課後 - - - -
残ろうか迷った。けど。由麻ちゃんが告白する現場になんか気まずくていられないし、邪魔になる。
帰ろう。
正門から教室を見上げる。
きっと今ごろ由麻ちゃんは先生に告白してるんだろう。
私の10000倍勇気がある由麻ちゃんが。
もう見たくない。
私が教室に背を向け歩き出した時____
「ちょっと待てよ」
その言葉とともに私の手首が掴まれた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。