第6話

唄とブタ
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2017/12/27 05:33
「お、どっか行ったな」




伊藤先輩たちは屋上を出ていった

この手に持っているお土産、どうしよう









「…」

「それなに?」



男の人はお土産を指さした



「伊藤先輩に買ってきたお土産」

「伊藤先輩ってさっきの?」




コクリと頷く









「何買ってきたんだよ」





彼は私から袋を奪って中身を見た

なんか抵抗する気力もないよ









「ははっ、何だよこれ」




袋から出した豚のマスコット
可愛かったから一目惚れして買った

実は私も持ってて伊藤先輩にあげたらお揃いになるなぁって浮かれてた

でももういらないよね






「お前こんなのアイツにあげるつもりだったわけ?」



センスねぇなーって更に続ける
…私だって真剣に選んだのに



ていうかさっきからお前お前って…





「私には月野唄っていう名前があるの」

「唄?もうブタでいいじゃん」

「なっ!」





女の子に向かってブスとかブタとか…
なんなのこいつ!









「もらってやるよ、これ」

「え?」

「それより職員室どこ?俺そろそろ行かねーと怒られるんだけど」









この人はたぶん転校生


職員室に行かないとダメだよね









「屋上出たところの階段2階まで降りたらある」

「説明下手くそかよ」

「じゃあ他の人に聞けば」

「んなめんどくさいことしてられっか。さっさと案内しろブタ」










だから私は唄だっつーの!!!!


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