「…悠真」
「ほら」
悠真から模試の結果の紙を受け取った
「ありがとう」
「ん」
悠真から受け取った模試の結果の紙を今度はきちんとファイルにいれた
「…」
「そんなに睨まないでよ、ちょっとイタズラしてただけだって」
柴さんは営業スマイルでそう言った
ちょっと?あれちょっとのイタズラ?
「ごめん唄お待たせ~…って隆也くん!?」
戻ってきたうっかが柴さんを見て驚いた
「あ、越野さん」
「覚えててくれたんですか!?」
「うん、もちろんだよ」
「はぁ~!」
うっかは幸せオーラをムンムン放っている
でもうっか、コイツキャラ作ってるよ!
…って言いたい
「唄、悪いけど今日先帰っといてくれる?」
「え、いいけどなんで?」
「実は帰省してきてるお姉ちゃんが今丁度近くにいるみたいで車乗って帰りなって…」
「あ、うんそうなんだ了解!」
「ごめんね~…唄も乗せて帰ってあげたいんだけど寄り道して帰るから…」
「うん!私は全然大丈夫!」
「ほんとにごめんね!また明日!」
「ばいばーい」
そっか
うっかのお姉さん帰ってきてるんだ
私はひとりっ子だからそういう姉妹とか憧れる
「じゃあ私もこれで。悠真バイバイ」
「おー」
「…柴さんも、さようなら…」
「送っていくよ」
「「えっ!?」」
ん?
私がえっていうのは分かるけど今一緒に言ったのって…
悠真…?
「何か問題が?」
柴さんはニコニコしながら悠真を見た
「…別に」
悠真は一瞬曇った顔をしたけどすぐに“じゃあな”って言って職員室に行ってしまった
・
なんか、今日の悠真おかしい?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。