第3話

夢から覚めても〜化け物と呼ばれた少女〜
289
2018/01/08 01:54
あなた

だから…化け物と呼ばれたんですね。

『そうか?俺にはお前が化け物には見えないな』
あなた

『その鎖も振りほどけないお前は
俺にはただの鎖もどうにか出来ない弱い…
《普通の》少女に見えるぞ?』




《普通》と言われたのは初めてだった。


こんなに《普通》に接してくれる人なんて
初めてだった。


だから…
あなた

貧弱…と言いたいんですか?

つい、強がってしまった
『その鎖は飾り。
飾りすらも解けない奴が何言ってんだか…

お前面白いな…』
あなた

わっ笑わないでくださいよ!

だから…この人になら…
この人なら私に殺されないと思った。

信じてくれると思った。
『そこでお前に二つ提案があるんだが…』
あなた

…なんですか?

『一つはそのまま鎖に繋がれて生きる』
あなた

もう…一つは?

『俺と一緒にここを…この国を飛び出す。』
私は戸惑った
だって私が居なくなったと知ったら
街はおろか国だって大騒ぎになる。
それに…私の手助けをしたらこの人は…
でも、私はおかしかった。


この人より自分を優先した…
あなた

鎖に繋がれて生きるのは嫌です

『そう来なくては。』
そう言い、私の鎖を外してくれた。





そいえば…なにか、
夢を見ていたような気がした

プリ小説オーディオドラマ