ピピピッピピピッ
私は、目覚ましを止めて、起き上がる。
……今日も曇りか。
今日は、陸とデートなのに。
私は、ドレッサーの上に置いてあるブラシを手に取り、サッと結う。
その時、ふと目に入ったのは……ホワイトデーに先生からもらった、ハートのネックレス。
(先生×生徒の番外編をご覧ください)
先生と別れてからは、一度も着けてない。
ギュッと胸が締め付けられる。
前までは、学校に行けば先生に会えて嬉しかったし、学校が楽しみだった。
でも、今はそんなに学校が楽しみじゃない。
そう呟くと、頭に浮かぶのは陸の顔。
いや、でも、陸と約束したし、努力はしないと…。って、考えてる時点で陸に申し訳ない…
今日は、映画を見てお茶をする予定。
私は、花柄のワンピースをきて、駅へ向かった。
陸はもうすでにいて、柱に寄っかかって待っていた。
陸に手を差し伸べられた。
手を繋ごうって意味だよね。
少し、キュンとした。
少し赤くなりながら言う陸。
あ、やば、可愛すぎ。
私は、陸の手を握った。
やっぱり、男の人って手おっきいなぁ〜
そんな感じで、デートは続き、次の約束までした。
春休み中は、部活があるかもしれないからという事で、
春休み前の、午前授業の午後にデートすることにした。
なんだかんだ、陸と一緒だと楽しいし、たまにキュンとすることしてくれるし、
意外と早く好きになれそう。
そう思った1日だった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!