私達は、一度家に帰り、またすぐに集まった。
そして、青木先生に渡す誕生日プレゼントを買いに行く。
陸は、ペンを選んだ。
ボールペンの赤、青、シャーペンが入っているもの。
千紗は、ハンカチを2枚。
私は、コップ。
それぞれのプレゼントを買ったところで先生の家へ向かった。
んー、何作ろうかな…?
ハンバーグ、唐揚げ、フライドポテト、サラダ、グラタン…こんなんでいいかな?
あ、そうだ。
私は、先生にLINEをする。
しばらくしたら返信くるかな。
先に他のもの買っちゃおう!
そう思って、スマホをしまおうとすると返信がきた。
おぉ、やっぱり。
子供が好きな刺身といったらこれだよね!
よし!
早く買い物して、作ろう!
私は、買うものを次々とリストアップしていく。
私達は、食材だけじゃなくて、飲み物なども買い、先生の家へ向かった
陸は喜んでいる。
すると、2人は違う方向へ歩き出す。
そっちは青木先生のマンション…
私は、先生の住んでるマンションを指差して言う。
2人の声が重なった。
あー、私が初めて来た時もこんな反応してたよねー
2人とも突っ立ってマンションを見上げている。
私は、エントランスに入っていき、2人も後に続く。
いつ入ってもなんだか肩をすぼめてしまうような広さで、綺麗。
私は、「602」と番号を押して、カードキーをかざす。
そして、その後にパスワードを打ち込む。
えーっと、確か…
6021992728
単純だよね…。
これは先生に教えてもらったけど、こんなのすぐに開けられちゃいそう。
602は部屋の番号。
1992は、先生が生まれた年。
728は、先生の誕生日。
私が開けるのは初めてだったから、本当は少し緊張してた。
まだ2人は、信じられない。と言う様子でエントランスをキョロキョロしていた。
私達はエレベーターに乗りこむ。
私は、32階を押した。
また、2人の声が重なった。
千紗と陸は、興味津々で私に聞いてくる。
どこまで言っていいのかわからないし…
それから、エレベーターを降りて、先生の部屋へ向かった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。