第53話

幸せになってほしい。
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2018/07/08 09:52
あれから3日経ち、昨日、先生から電話が来た。


……莉世さんは、本当に離婚するらしい。


私は、そっけなく、「そうなんだ。」と答えた。


今日は、なぜか青木先生から呼び出された。


呼び出されたというか、話がしたいから、うちに来て。と言われた。


正直、行こうか迷ったけど、先生の中のいい友達だし、行くことに決めた。


私は、インターホンを押す。


ピンポーン


青木先生の住所は、LINEで教えてもらった。
青木先生
はーい。
ガチャ
青木先生
おぉ、いらっしゃい。
あなた

お邪魔します。

青木先生
どーぞー。
狭くてごめんね〜

青木先生の家は、アパート。


私の部屋より、若干狭い気もするけど、私の部屋がやけに大きすぎるからなぁ。


部屋は、シンプルで、清潔感があり青木先生って、こんな部屋に住んでるんだ〜!と素直に思った。
あなた

いえいえ、広いと逆に、寂しいですから。

青木先生
直樹も同じこと言ってたよ。
あなた

そうですか、

青木先生
あ、お茶出すね。
あなた

ありがとうございます。

私は、床に座り戻ってくるのを待つ。
青木先生
お待たせ。
で、早速なんだけど…
あなた

先生の事ですか?

青木先生
うん、
何があったかは、この前直樹から聞いた。
あなた

そうですか。
それで……?

青木先生
あなたちゃんはどうしたいの?
どうしたいのか……


それはもう、決まっている。
あなた

私は、どんな形であろうと、先生に幸せになってほしい。

青木先生
そうか。
わかった。その言葉だけで充分だ。
そう言って、強く頷く。
あなた

青木先生は?
私の気持ちを聞いてどうするんですか?

青木先生
どーもしないよ。
何もしない。
ただ、2人には幸せになってほしいかな。

みんなの願いは、きっと同じ。


大切な人には、幸せになってほしい。


きっとそれは…ずっと変わらない。

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