生配信が開始して2時間。
終了まで残り1時間のところで私は行動に出た。
そう言い、綾がめぐみのスマホに電話をかける。
私は不自然に見えないように生配信を見ていたが、スマホの鳴る音はしない。マナーモードにしているようだ。
行くと決まった瞬間、立ち上がると、雪奈が私の腕を掴みさっさと玄関に向かう。
私は半ば雪奈に引っ張られながら、片手でスマホを開くと…
【今から実行するからあと少しで動くよ!】
と、琉依に送る。すると、スグに…
【了解】
【面白いのを期待してるよ〜!】
琉依とおそらく柚稀が送った2件が表示された。
私はスマホを仕舞うと、靴を履き替え雪奈とめぐみの家へと向かう。
だって、生配信の最中なんだからさ…。
考えるように雪奈が腕を組む。
正直に言うと、何色も似合わないと思う。
めぐみなんだから。
あのめぐみがネイルをして来たら、笑いたくなる。
色んなことを話しながら、雪奈と歩き、めぐみの家に向かった。
小走りで走ること1分、めぐみの家の前に到着。
私はそう言い、チャイムを鳴らす。
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン…
何回も何回もチャイムを鳴らす。
でも、めぐみは出て来ない。
居留守とか、しぶといな…。
ま、生配信には何回もチャイムの音が聞こえているとは思うけど。どうしよっかな…。
考えた結果、子供っぽいことになるが…
1回だけ大声でめぐみを呼んでみた。
だけど、出ない。
なら、それでいい。
今回が最終配信となって、もう笑いのネタの動画を見られなくなるのが残念と思いながら、私は雪奈と雪奈の家へと戻ったのだった…。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。