勝利side
君は少しずつ少しずつ
自分の中にある何かを吐き出すかのように
話し始めた
あなた)私ね、最初は、ななちゃんのこと
好きだったよ、
勝利)うん
あなた)けどね、なんかね
勝利)なんか?
あなた)ななちゃんが入って来てから
居ずらいなって思って
そう1度考えたらもう止まることは
なくて、
そこからだんだん皆も話しかけてく
れなくなって、
勝利)えっ?
どういうこと?
あなた)勝利以外のメンバーが、私の声に
反応してくれることはなくなってい
った、ななちゃんの声には反応する
のに
あなた)そう思ったら、だんだん楽屋に居
ずらくなった。
けど勝利は心配してくれたから、
少しの希望を持って、まだ4人は私
の存在忘れてない。きっと覚えて
くれてる
そう思ったけど……
あまりにも内容が衝撃的で
でも………
勝利)けど…って?
けど、ってどういうこと
あなた)勝利しか話しかけてくれなかった
焼肉の時がそうだったでしょ?
そうだ、それで僕が話しかけたんだ
あなた)本当は何も無かったけど
断った
なんで私だけ?って何度も考えた
どうして私に声を掛けてくれなかっ
たの?って
苦しかった、辛かった
そう言って君は顔を伏せた
あぁ知らないうちに君を追い詰めていたんだ
けど、君の辛さはそれだけじゃ無かった
君はもっと沢山の闇を抱えていた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。