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第18話

eighteen
450
2018/08/27 13:31
森の中をいくら探しても、はるなちゃんは見つからない。
あの手紙をもらってから30分がたっている。
残り30分……
はやくしなきゃ!
コンタ
コンコン!!
コンタが俺になにかを訴えているように見えた。
くるき
どうしたの?
すると、コンタがぴょんぴょん跳ね出した。
何してるんだろう?
コンタ
クンクン!!
コンタが鼻をクンクンするそぶりを見せた。
くるき
あ!!
くるき
もしかして、匂いで探してくれるの?
コンタ
コーン!
あたりみたいだ。
じゃあ、はるなちゃんのにおいが付いているものが必要か……
本当にわずかなにおいだけど、僕の手にまた匂いついてるかな?
くるき
コンタ、はい
俺は手を差し出した。
コンタ
クンクン
コンタ
コーン!
わかったみたいだ。
くるき
よし!じゃあはるなちゃんを助けに行こー!
コンタ
コン!!
僕は、コンタの後を追った。
ついた先は、古い館だった。
くるき
こ、ここ?
コンタ
コン!!
コンタの反応的にここで間違い無いみたいだ。
にしても、お化けが出るんじゃ無いかってぐらいボロボロだ。
こんなところに本当にはるなちゃんがいるのかな?
くるき
まぁ、行ってみるか
コンタ
コン!!
俺たちは、古い館の中に入っていった。
中はとても暗く、昼間のはずなのにカーテンで光が差し込まないようになっている。
くるき
はるなちゃーーん!
シーン……
応答はない。
くるき
探すしかないみたいだね
俺とコンタは館の中をうろつきまわった。
すると、あるドアを見つけた。
くるき
なんだろう、ここ
古そうなドア。
くるき
あ、開ける?
コンタ
コ、コン……
ちょっと怖いけど、もう時間がない。
くるき
行くしかないね
俺はドアに手を伸ばした。
そして、ドアを開けた。
くるき
!?
そこには、横長の大きな垢があった。
俺はすぐさまその垢に駆け寄った。
そこには、死んだように眠っているはるなちゃんがいた。
くるき
はるなちゃん!!
返事がない。
そういえば、手紙には『お姫様を起こすにはキスをしなくてはならない』って書いてあった。
キス!?
はるなちゃんに!?
さっき会ったばかりなのにそんな事していいのか?
それに、ひかるくんだってはるなちゃんのこと……
いや、そんなこと言ってる場合じゃない。
もう時間がない。
この子の命がかかっている。
くるき
はるなちゃん!ごめん!!
俺は目をつぶり、はるなちゃんのくちびるに俺のくちびるをくっつけた。
柔らかい感触が唇に当たっている。
くるき
本当に……ごめんね……
すると、はるなちゃんの周りが光り出した。
くるき
な、なんだ!?
すると、はるなちゃんの手がピクンと動いた。
くるき
はるなちゃん!!
はるな
う……ん……?
はるなちゃんが目を覚ましたのだ。
くるき
はるなちゃん!!
俺は思わずはるなちゃんに抱きついた。
はるな
わっ!!
はるな
ど、どうしたの!?
くるき
よかったよー!生きててくれて!!
俺の目からは涙が溢れて来た。
はるな
……
すると、はるなちゃんが俺の頭をぽんぽんして来た。
はるな
ありがとう、助けてくれて
はるなちゃんがニコッと笑った。
ドキッ!
くるき
……
なんだ?今の感覚は……
はるな
じゃあ、この不気味なところから出るか!
くるき
うん!
俺たちは、この館から出ていった。

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