第10話

ten game
562
2018/08/06 12:42
私たち4人は誰もいない洞窟の底で話し合っていた。
しゅうや
どうするんだよ、これ!
はるな
殺しあうって……
ひかる
きっと、ここの支配者のやつも俺たちが殺しあうのを楽しむつもりなんだろう。
しゅうや
ひどいな。
ひかる
ここまで何人殺されてるかわからない。
ひかる
でも、沢山の人を殺してるって事は正常な奴じゃないって事だ。
その通りだ。
まなちゃんだって何も罪がないのに殺された。
それを楽しんで見てるって思うと腹立たしい。
でもここから脱出しようと下手に動いたら殺されるかもしれない。
ならどうすればいいんだ……
はるな
ゆめか?大丈夫?思いつめたような顔してるけど。
ゆめか
え…?
しゅうや
そりゃこんな状況目前にしたらそうなるよ。
ひかる
うーん……
ゆめか
私は大丈夫だよ!心配させてごめんね!
しゅうや
無理すんなよ?
ゆめか
うん!ありがとう!
もし……


本当にこのやり方しかないのなら……
私は自分を犠牲にしてでもみんなを守りたい。
大切なみんなが生きていてくれるのなら私はそれでもいい。
まなちゃんには悪いけど、きっと許してくれるよね。
だけど……
しゅうや
本当にどうするかー
しゅうやも巻き込んでしまう……
しゅうやには生きて欲しい……
でも、でも……
わかんないよ……
何が正解で、何が間違ってるのか。
答えが見つからないよ……
しゅうや
ゆめか?
でもやっぱり……
りゅうきに聞いてみよう。
ゆめか
しゅうや
しゅうや
ん?なんだ?
ゆめか
お願いがあるの……
私はしゅうやを2人の離れた場所へ連れてった。
ゆめか
私、2人を生かしたい……
しゅうや
は?何言ってんだ?お前!
ゆめか
ごめん!!
ゆめか
しゅうやも巻き込んじゃう事は知ってる!
ゆめか
でもね……
ゆめか
今まで一緒に成長していった2人を殺すなんてできない……
しゅうや
……
ゆめか
私は、2人が生きててくれるならそれでいい。
ゆめか
私の分まで幸せになってくれれば私も幸せ!
ゆめか
こんなのただのわがままだって分かってる……
ゆめか
本当はしゅうやにも生きてて欲しい……
しゅうや
わかった
ゆめか
え?
しゅうや
あいつらを生かそう。
ゆめか
いいの?
しゅうや
ゆめかの判断は間違ってなんかない。
しゅうや
正しいから俺も賛成するんだ。
しゅうや
まなには悪いがな。
ゆめか
きっと許してくれるよ。
まなちゃんなら。
しゅうや
だよな。
きっとこれは正解じゃない。
でも、間違ってもいないと思う。
正しさなんかわからない。
答えなんてきっと存在しない。
だからこそ、この選択でよかったんだ。
ゆめか
はるな!
しゅうや
ひかる!
ひかる
ん?
はるな
どうしたの?
2人には生き残ってもらいたい。
はるな、お嫁さんになれなくてごめんね。
はるなのお嫁さん姿、楽しみにしてるから。
ひかるはきっといいお父さんになるよ。
しゅうや……
大好きだったよ。
ゆめか
みんな!大好き!
はるな
え……?
ひかる
ゆめか!まさか!
しゅうや
ゆめか
ゆめか
ん?
しゅうや
俺も、好きだったよ。
ゆめか
!?
ゆめか
私もだよ!
はるな
やめて!!
ひかる
やめろ!!!
私としゅうやはお互いに剣を持ち、お互いの心臓の前に構えた。
ゆめか
2人とも……生き残ってね!
しゅうや
俺らの分までよろしくな!
ゆめか
大好き!!!
はるな
やめてーー!!!
ひかる
やめてくれ!!
私たちは、お互いの心臓に剣を思い切りさした。
そして……
バタンッ
はるな
いやーーーー!!!
ひかる
そ、そんな……
私の目にはたくさんの涙がたまっていたのでした。

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