ここから見下ろす街は綺麗だ。
こんな広い世界で
こんなちっぽけな人間が消えたところで何も変わらない
それにもう、俺はいっぱいいっぱいだ
初めて人に頼った。
初めて友達かできた。
初めて他人の家だけど愛を感じれた。
お母さんを任せられる病院にもきた。
初めて。
少しだけ、心を開いてもいいかなって思える
大切な人ができた
小学生の頃から親に悩まされてきた
学校でも、あいつの家はやばいって
噂されて、馬鹿にされて、差別されて。
だからって家にも居場所なんてなくて
どうしょうもなかった
頼る人もいなくて
一人で抱え込んで生きていくしかなかった
時には自分を傷つけて
時には未遂までしたこともある
それでもこの世界は俺が消えるのを許してくれなかった
俺を望む人なんて居ないくせに。
だからもういいよね?
ずっと、何年も耐えてきたんだ
もう、今俺は“しあわせ”なんだ
だからもういいよ。
お母さんはこれから病院で話を受けて
普通の生活が送れる。
じゃぱぱのお父さんだって
じゃぱぱの家で幸せに暮らしていけるはず
そこに俺は必要ない
そうして俺は
屋上から飛び降りて
ぐちゃぐちゃになった…
はずだった。
俺はまだ屋上にいた
飛び降りるギリギリのところで
誰かが俺を止めている_
まぁ、こんな俺を止める人なんて
じゃぱぱくらいしかいなんだろうけど。
“分かるわけ無いやろ!!”
そう言おうとして俺は
じゃぱぱに口を閉じられた
そういってじゃぱぱは微笑んだ
そう言って俺は
泣きながら
言葉に何回もつまりながら
話し始めた。
じゃぱぱは頷きながら、
泣きそうになりながらずっと
俺の話を聞いてくれた
初めてそんな言葉を言われた
また初めてで俺の心が埋まっていく
あぁ、こいつはどこまで
俺の望んでいた言葉をかけてくれるんだろうか。
やっとPrologのセリフ全部回収できた…
最終回近いですねぇ〜、、 (
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!