第12話

11 埋まってゆく
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2023/09/28 09:19
tt_
…ふぅ、
ここから見下ろす街は綺麗だ。
こんな広い世界で


こんなちっぽけな人間が消えたところで何も変わらない


それにもう、俺はいっぱいいっぱいだ

初めて人に頼った。


初めて友達かできた。


初めて他人の家だけど愛を感じれた。


お母さんを任せられる病院にもきた。


初めて。
tt_
…じゃぱぱ、

少しだけ、心を開いてもいいかなって思える


大切な人ができた
tt_
…少し、名残惜しいけど
tt_
もう、疲れたよ、笑

小学生の頃から親に悩まされてきた


学校でも、あいつの家はやばいって


噂されて、馬鹿にされて、差別されて。


だからって家にも居場所なんてなくて


どうしょうもなかった

頼る人もいなくて


一人で抱え込んで生きていくしかなかった


時には自分を傷つけて


時には未遂までしたこともある


それでもこの世界は俺が消えるのを許してくれなかった


俺を望む人なんて居ないくせに。


だからもういいよね?


ずっと、何年も耐えてきたんだ


もう、今俺は“しあわせ”なんだ


だからもういいよ。


お母さんはこれから病院で話を受けて


普通の生活が送れる。


じゃぱぱのお父さんだって


じゃぱぱの家で幸せに暮らしていけるはず


そこに俺は必要ない
tt_
…もう十分、愛は受け取ったよ。

そうして俺は


屋上から飛び降りて


ぐちゃぐちゃになった…

























はずだった。

tt_
っ、!!

俺はまだ屋上にいた


飛び降りるギリギリのところで


誰かが俺を止めている_
tt_
…なぁ、なんでや
tt_
俺はもう、この世に未練なんかないんや
tt_
…から、止めるなよ…
tt_
じゃぱぱ…

まぁ、こんな俺を止める人なんて


じゃぱぱくらいしかいなんだろうけど。
jp_
…、だめだよ
jp_
…たっつんは、これからもっと幸せになるべきだ
tt_
何言っとるん、?笑
tt_
お前に、分かるわけ無いやろ
jp_
tt_
小さい頃から愛されて生きてきて
tt_
優しいお母さんに、お父さん
tt_
ゆあんくんやのあさんみたいな、優しい友達
tt_
全てが、幸せなお前なんかに…!!
tt_
わかるわけっ、!!?

“分かるわけ無いやろ!!”


そう言おうとして俺は


じゃぱぱに口を閉じられた
jp_
…そうだよ
jp_
俺は幸せだった
jp_
大切な友達、大切な家族
jp_
けどだからこそ俺にしかできないことがある
tt_
…?
jp_
本物の愛を受けてきた俺が

jp_
偽物の愛で育ったたっつんに

jp_
本物の愛をあげること_


そういってじゃぱぱは微笑んだ
jp_
からさ、やっぱたっつんの口から聞きたいな
jp_
今まで、何があって生きてきたのか
jp_
…今くらい、俺のことも頼ってよ
tt_
…、ええの?
jp_
いいんだよ、笑

そう言って俺は


泣きながら


言葉に何回もつまりながら


話し始めた。


じゃぱぱは頷きながら、


泣きそうになりながらずっと


俺の話を聞いてくれた
jp_
そっ、かぁ、
tt_
…、
tt_
ごめん、こんな暗い話しさせて…
jp_
たっつんは凄いね
tt_
…え?
jp_
俺だったら、こんなの耐えられるわけない
jp_
たっつんは、偉いよ
jp_
今まで、生きててくれてありがとう…
tt_
…ぇ、あ、 ( 泣

初めてそんな言葉を言われた


また初めてで俺の心が埋まっていく


あぁ、こいつはどこまで


俺の望んでいた言葉をかけてくれるんだろうか。

やっとPrologのセリフ全部回収できた…


最終回近いですねぇ〜、、 (

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