第5話

4.ドS季織くん
490
2018/12/26 08:19
時雨 季織 (シグレ イオリ)
部屋は最上階なんだ。
あなた

へぇ...お金持ちなんだね

マンションのエレベーターで、どんどん上へと上がっていく。
時雨 季織 (シグレ イオリ)
あぁ、喜多川金融社長の息子だからな。
あなた

へぇ...そうなんd、ってえぇ!?あの喜多川金融の!?

【喜多川金融】CMでも街の広告でも、新聞でも。必ず毎日目にするであろう、日本で最も有名な金融会社。
時雨 季織 (シグレ イオリ)
このことはあんまり他のやつに言うなよ、
あなた

う、うん... あれ?そんな重要なこと、私に話してよかったの??

時雨 季織 (シグレ イオリ)
...お前は、言わなさそうだから......。
あなた

え、なん...

───チーン
時雨 季織 (シグレ イオリ)
おら、着いたぞ
あなた

あ、うん...











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第四話

ドS季織くん


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
あなた

お邪魔しま~す...

時雨 季織 (シグレ イオリ)
まだ他の奴らは帰ってきてないんだ。そこ、座っててくれ
季織くんの指さした、紅色のいかにも高級そうなソファに腰掛ける。
あなた

ふっ、ふわふわ...!✨

時雨 季織 (シグレ イオリ)
あ、そのソファ300万するからな、気を付けろよ
あなた

さんびゃくまっ....!?

私は光の速さでお尻を浮かして立ち上がった。
時雨 季織 (シグレ イオリ)
ぶっw   嘘に決まってんだろ。馬鹿か
あなた

やっ、やめてよ季織くん...

心臓が持ちません。
時雨 季織 (シグレ イオリ)
君付けやめろ。呼び捨てでいい。めんどくさいから。
あなた

あ、うん、わかった...!季織く...季織。

時雨 季織 (シグレ イオリ)
ん。//
ん?心做しか、季織の顔が赤いような...
時雨 季織 (シグレ イオリ)
珈琲飲むか?
あなた

あ、いや、大丈夫!

時雨 季織 (シグレ イオリ)
遠慮すんな。
あなた

あ、ていうか、珈琲飲めなくて...///

時雨 季織 (シグレ イオリ)
......じゃあ茶でいいな。
あなた

う、うん。ありがとう...

あれ?季織のことだから絶対笑うと思ったのに...
時雨 季織 (シグレ イオリ)
ほら、
あなた

あ、ありがと...!?

目の前に出されたのは、紛れもない珈琲だった。
ん?ん??
な、なんで??  あれ?私もしかして脳内で会話してた?
実は今珈琲の話してなかった!?
時雨 季織 (シグレ イオリ)
どうした?飲めよ。
あなた

う、うん...

恐る恐るカップを手に持ち、中の液体を見てみる。
もしかしたら、これは本当はお茶で珈琲に見えるだけ...!?
一口...飲んでみよう...
あなた

ごくっ

あなた

に、にがぁ...!!

時雨 季織 (シグレ イオリ)
ぶっww  まじで馬鹿だこいつww
あなた

やっぱり珈琲じゃんかー!?

時雨 季織 (シグレ イオリ)
なんだと思ったんだよ?w
あなた

...珈琲に見える...お茶?

時雨 季織 (シグレ イオリ)
腹痛ぇww
あなた

うぅ...///

くそぉ...騙されたっ!!
時雨 季織 (シグレ イオリ)
ごめんってw  そんな顔すんなよ、ほら。こっちは本物の茶だよ
季織は優しく笑って私の頭に手をポンポンとすると、ちゃんと緑色をしたお茶を出してくれた。
あなた

あ、ありがとう...

時雨 季織 (シグレ イオリ)
ほら、珈琲。俺が飲むわ
あなた

え?でもそれ...

私が口付けたカップ、という前に季織は珈琲を一口飲んでしまった。
あなた

あ...///

時雨 季織 (シグレ イオリ)
...ん?どうした...?
季織はカップに口を付けたまま、ニヤリと笑った。
あなた

な、んにもない...///

わかった。
クールな時雨 季織は、
ドS季織だったんだ...!
もしかして、季織ってドS...?













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第四話 [完]


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