あなたの過去を話すとね、少し長くなるんだ
それでもいい?
それでもいいなら、見てけれるとありがたいな
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あなたってさジャニーズ事務所の唯一の女の子じゃん?
だから、批判がめっちゃ多かったの
けど、あなたはあーゆー性格だから全然気にしてなかったんだ
でもね、まだJr.だったある日のレッスンであなたが倒れたの
俺ビックリして駆け寄ったんだ
そしたら、いろんなところにアザとか切り傷とかあったの
他のJr.の人達はあなたのこと受け入れててくれたし、他の人達と同じ扱いだったんだ
だから、みんな急いで救急車呼んだりあなたの親に連絡したり、あなたに声をかけ続けたりしたの
けど起きる気配なんてなくて結局病院送り
ダンスの先生は続けるよ。って言ったけど俺らはそんな気がなくて…って言うかこの時はダンスの練習よりあなたのことが心配だったから、先生の言葉を無視して病院に皆で向かったんだ
病院に着くとね、すぐに風磨君と健人君が受付の人に病室聞いて俺達を連れて行ってくれたの
言われた通りの病室に着くとね、医者さんが「まだ入ったらダメ。今は1人にさせておきたい。」って言ったんだ
俺はまだ小さくて理解できなかったから医者さんになんでなんでって泣きなが言ったの
そしたら医者さんは「精神的にも肉体的にも今はボロボロだからなんだよ」って言ってどこかに歩いて行ったんだ
俺らはその場に立ち尽くすことしか出来なかったの
そこから…何分くらいか経った時に気持ちの整理が着いたのか風磨君が「1回帰えろう」って、健人君が「また明日来よう」って言ったの
俺は離れたくなかったんだけど仕方ないから家に帰ったんだ
次の日
俺は学校が終わってから直ぐにあなたの病室に行ったの
そしたら他のJr.もいて、みんな考えることは同じなんだなって…
みんな忙しいのにあなたのお見舞いに来るんだ
まだ会えるわけもないのに
その日もレッスンの時間が迫ってきたから俺達はレッスンをしに行ったの
けど…
ムードメーカーのあなたがいないからみんな本調子じゃなかった
いないから改めて気付かされたんだ
あなたって本当にすごい人なんだ。
って
だから、俺もこんな人になりたいなって
いつしか俺のあこがれになったんだ
一週間後
あなたが倒れてから一週間が経った時、レッスンをしてた場所にいきなり社長が現れたんだ
どうしたんだろうって思ってみんなが社長の前に集まり座ると社長が話し始めたの
社長「あなたの面会が許可された
今から行ける人はいる?」
その場にいたJr.全員がビックリし、次第に笑顔になり、全員が手を挙げた
そして社長は少し笑い俺らを車に乗せ病院に送っくれた
俺はずっと、ずーっと心配だった
身も心もボロボロって大丈夫かな…
今後俺らにちゃんと接してくれるのかな…
1番近くにいて気づけなかった俺を恨んでるのかな…
いろんな思いが重なって泣きそうになる目を抑えたら隣にいた健人君が「大丈夫」と言うように肩を抱いてくれたんだ
それはそれに安心して堪えきれなかった一筋の涙を流したんだ
…絶対内緒だよ?
俺らが病院に着くと看護師さんが待っていて軽く注意事項を言って病室に通してくれた
風磨君が「1番仲良しなんだから勝利がノックして開けろ」と言うのでドアをノックして開けた
開けた瞬間に見えたのは風のせいでカーテンが揺れてそれを見つめるあなたの姿だった
俺は内心ホッとしてあなたに近付いた
そしたら気づいたのか振り向いて目を見開いたんだ
そしたらね、あなたの第一声が「えー!?なんで!?」って…笑
他のJr.もその一言で緊張がとけたのかみんな笑顔になったんだ
あなたは相変わらず驚いててゾロゾロ入ってくる俺たちに終始ビックリしてたんだ笑
「いきなり来てごめんね」
あなた「だ、大丈夫だけど…」
あなたが落ち着いたのを確認して俺達は時間の許す限りあなたと話した
やっぱりあなたがいると全然違う
みんな笑顔がたえないんだもん
けどね、俺はあなたが無理して笑ってるの知ってたんだ
だって…
いつもの笑顔じゃなかったから
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!