今日は二人とも休み。
仕事で疲れた彼はまだ起きてこない。
階段を降りてくる足音が聞こえた。
眠たそうな彼は
またソファーに寝転がった。
朝ごはんを食べ終わり
洗い物をしていると、
後ろから抱きしめてくれた。
まだ言っていないのに
嬉しそうな彼。
急なお願いにも戸惑ったが
断っても聞かないから
結局してみることに。
コーヒーを作って
ソファーに持って行ってから
ス タ ー ト 。
普段手を繋ぐときは
買い物とか散歩のときくらい。
だから今は特に気にしてしまう。
彼の温度
手の大きさ
指。
指をからめてくれば
好きだなぁ。
そう思った。
そう言うと、
手は離されず
一緒にキッチンに向かった。
手を繋がないでも
腕や足
彼に
もたれたり
私に
もたれたり
どこかが常に触れ合っていた。
昼ごはんは隣り合わせに引っ付いて食べた。
なんとかして
夜が来て。
私は繋いでいる手を離した
一緒にお風呂に入った
無理やり膝の上に座らされた。
彼が口を開いた
嬉しそうな顔。
男の子見たい。
男の子ではなかった。
男だった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!