第14話

3.西内くんのヒミツ
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2018/08/22 02:52
──そして、デート当日。

ぽかぽか陽気でまさにデート日和。
今日のコーディネートは黄色のトップスと白のプリーツスカート。ふたつとも先週フンパツして買ったものだ。
メイクもして、念入りに髪を整えた。
西内くん、かわいいって言ってくれるかな……?
気合ばっちりで家を出て、待ち合わせ場所の公園へと向かった。
マンション近くの公園で待ち合わせるということ以外、何も知らない。
『デートコースは俺に任せて』と言ってくれたので、お願いすることにした。
迎えに来てくれる上にデートコースまで考えてくれるなんて、王子様みたい!
ワクワクするなぁ、とっても素敵なデートになりそうな予感がする。
近所の公園は、ボートやテニスコート、野球場があるほど広いため、テニスコート前で待ち合わせることにした。
到着すると、すぐに彼の姿を見つけた。
すらっと背が高くて手足が長くスタイルがいい。オーラをまとっていて、どこにいたって目立つ。
今日の私服は白いTシャツの上にデニムシャツ、黒のパンツという組み合わせだ。
レザーのワンショルダーバッグを肩にかけている。
さわやかでとってもオシャレ。
すごく似合ってるし、制服のときよりも大人びてみえる。
まるでモデルさんみたい!
桜井心春
桜井心春
待たせたかな、ごめんね?
西内くんのもとに小走りでいくと、彼は私を見た瞬間に固まっていた。
あれ、今日の私、なにかおかしかったかな……?
桜井心春
桜井心春
西内くん、どうしたの?
西内蓮
西内蓮
いや、その……
なぜか口ごもる西内くん。
彼の様子を見て、ますます心配になる。
桜井心春
桜井心春
何か変なところがあったかな?
西内蓮
西内蓮
変なところなんてない。むしろ、その逆
桜井心春
桜井心春
え……?
西内蓮
西内蓮
ただ、ちょっと見とれてただけ
西内くんのほおが赤く染まっていく。
目をそらしているのは、照れ隠しかな?
ストレートにほめられたら恥ずかしくなって、ごまかすように景色を眺めた。
桜井心春
桜井心春
あ、ありがとう! ところで、今日はどこに行くの?
西内蓮
西内蓮
俺がよく行く店に案内しようと思って
桜井心春
桜井心春
わぁ、楽しみだなあ
西内蓮
西内蓮
さっそく行こうか
桜井心春
桜井心春
うん
目的地までは電車に乗るらしく、私たちは公園の中を通って駅まで向かうことにした。
近所の公園を好きな人と一緒に歩くなんて緊張しちゃう。
両親や友達、マンションの住民さんと会ったらどうしよう、恥ずかしいな。
特に親にはまだ彼氏ができたことを話していないし、はち合わせしたら気まずいかも。
初デートということも重なって、歩いている間はずっとソワソワしてしまった。

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