第4話

1.告白-3
3,614
2018/08/01 01:42
……どういう、意味?
西内くんは少し間を置いて、話を続けた。
西内蓮
西内蓮
放課後や休日は忙しくて、デートする時間もないと思う。寂しくさせると思うけど……それでもいいの?
西内くんの表情は曇っていた。
彼の申し訳ないという気持ちが伝わってくる。
私は正直理由を聞いてもピンとこなかったけど、西内くんが私を気遣ってくれていると知ってうれしかった。
やっぱり西内くんは優しいな。
改めて彼のことが好きだって思った。
なかなかデートできないってわかっていても、私は……。
桜井心春
桜井心春
私は西内くんのことが好きだから……忙しくても平気だよ
西内蓮
西内蓮
桜井……
どうしてだろう。
二度目の〝好き〟は、彼の瞳をまっすぐに見つめて伝えられた。
今が一番の勝負所だって直感したのかもしれない。
〝私の気持ちがうれしい〟というあの言葉が本当なら、こたえてほしい。
そんな簡単にあきらめられるような想いじゃないって、西内くんに伝わってほしい。
心の中で何度も祈りながら、彼の返事を待った。
西内蓮
西内蓮
ありがとう。俺も桜井のことずっと気になってたんだ。今日からよろしくな
桜井心春
桜井心春
……うん!
西内くんが優しく微笑んでくれたので、私もにっこり笑い返した。
やった。私の気持ち、受け入れてもらえたんだ。
そして、まさか西内くんも私を気にかけてくれていたなんて……こんなことってある?
飛びはねて喜びたいくらいにうれしいよ……。
西内くんのはにかんだ顔を見つめながら、これから訪れるであろうバラ色の日々に心おどらせていた。

──このときの私は、初恋が叶って浮かれすぎていたのかもしれない。
〝普通の恋愛できない〟ことがどういうことなのか、理解できていなかったのだ。

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