わたしは玲於くんから話を聞いたあと、
ずっと隼が頭から離れないし、
最初に見たときの記憶とか
会いに来てくれたときの記憶とか
初めて1つになったときの記憶とか
…いろんなことを考えて、気づいたら約束の時間だった。
隼も亜嵐くんとずっと話してたみたいで、
観覧車に乗ることもできなかった。
少し残念だけど、どこかホッとしている自分がいた。
夏恋たちは、仲良く2人で回ってたんだろうなー。
帰りは夏恋と一緒に帰った。
…でも、玲於くんから聞いた話はしなかった。
わかれるとき、隼くんに呼ばれた気がしたけど、
顔を合せたくなかったから、気づかないふりして振り向かなかった。
なんて、言い訳だ。あぁ、おわっちゃうのかな。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。