あなたside
またあの家に戻るのか…
という嫌な気持ちで胸がいっぱいの中
りっくんと帰ってきてしまった。
リ「ただいまー」
『…ただいま』
エ「おお!おかえりw」
ツ「思ったより早かったね」
リ「そこの角まで帰ってきてたww」
何か物足りない。
あ、そうだよ。
にいにだ。
にいにの声がしない。
それだけで、物凄く不安になった。
抑えたばかりの涙がまた出てきそうになった。
『…ごめん、部屋行くねっ…』
泣いて迷惑はかけたくない。
バレないようにわざと元気に言ってみた。
エイジside
『…ごめん、部屋行くねっ…』
帰ってきてすぐあなたがそういった
わざとらしい声。
ツ「なんかあなた、空回りしてるみたいw」
リ「声がそんな感じだったね」
りっくんは知ってるのか…?
あなたが泣いてる理由を。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。