華佳side
華「ねーあなた」
『んー?』
華「やっぱなんでもない」
『なんだそれwさっきからそればっかりw』
そう、いざ聞くとなるとなぜか聞けなくなる
だからさっきからこれを繰り返してる
『華佳、私、隠し事は嫌いだよ』
華「うん、分かってる」
『そっか。』
))「ありがとうございましたー!」
結局、喫茶店を出た。
私はまだ聞けないまま。
『じゃあ、ね?』
帰る…
聞きたい。けど、聞けない
だけど。
華「あなた」
『はい』
なぜか敬語だった。
けど、その返事からは呆れた様子はなくて
私を心配してるようにも聞こえた。
華「あなたはさ、今幸せ?」
『え?』
華「ごめんね、幸せに決まってるよね。ごめん」
『…う、ん。』
なぜか少し小さく頷いたあなた。
変な気はしたけど特に気にかけずに、
私は「ばいばい」と話を終わらせ逃げるように帰った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!