俺は君を車に乗せて運転をした
俺はあなたと一切喋らず家に向かった
でも俺は気づいていた
君が俺の見えない角度で泣いていたことを
いつもと違う話し方
そんなのわかってる
けど君は明日までしか俺の隣に居ないのだから
俺は家のドアを開けて
あなたをリビングに座らした
君はいつもと違う塩対応だ。
いやもしかしたら俺の勘違いなのかな
何もかもが本当なのか俺はわからなくなった
俺は自分のおにぎりと
あなたのおにぎりを作り
机に置いた
君は無理して笑顔作った
その君が笑った瞳の奥には
泣いている君の姿が見えた気がした
こんなやり取りが続くのかな
最後は笑顔で君と過ごしたいのに
でもそんなこと君に言えるわけがない
俺はいろいろ済ませ編集を終わらす時だった
だけどもう寝る時間だ
今日これで君と話す言葉は
おやすみで終わりなのかな
君は声を震わせながら
応答してくれた
“今日だけでいいから抱かして”
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!