プリ小説

第23話

勇気
俺はもう戦わない。











どうせ、誰も守ることは出来ない。











視力が戻ったって、何も守れないんだから……。











もう死にたい……。











何も"聞きたくない"。









何も"見たくない"。










「ねぇ、聞いてる?何度も言ってんだからさ、いい加減返事しなよ。ユウトには人を殺してもらうよ。クロにバレないようにね」















『……そんなことやらない……もう何もやりたくない……』










俺は弱く小さな声で言った。














「何が何でもやってもらうよ!それが嫌なら視力をあげるから逃げてみせなよ。逃げるなら、次は助けないよ」











ずっと笑っていたロクの表情が少し歪んだ。












『なら、視力を貰って逃げるさ……』










俺はそう返事をした。










ここから遠くの場所に行って死のう。















「そっちを選んだんだ……じゃ、お別れだね!」















『えっ……』











その瞬間、身体がフワッとした。

















ビルから落ちているのか……。









俺は少し時間が経ってから気づいた。








「最後に教えてあげるよ…僕は死神なんだ……」












そう微かに聞こえたような気がした。
































俺は瞼をゆっくりと持ち上げた。











その瞬間、真っ暗な世界から色が溢れてきた。













『視力、戻ったのか……』












俺は小さく呟いた。














あと、どれぐらいで死ねるんだろう。















確認しようと、目線を下にやった時だ……!















『君、生きてたんだ……』








クロは俺と目が合った瞬間に言った。












クロとの距離はもうそんな無い。











ここで死ねるのか…。









そう期待していたのに……







『今は見逃してあげるさ、殺したらロクがうるさそうだし。でも、次は容赦しないから』










そう言うと、クロは消えてしまった。












何だ、殺してくれないのか。











クロに殺してもらうのは諦め、遠い誰もいない場所へ移動を始めようとした時!











『お兄ちゃん!この前は助けてくれてありがと!』











後ろから声を掛けてきたのは小さな女の子だった。














誰だ…敵か?












『誰?』









俺は冷たい声で聞いた。





















『お兄ちゃん、前助けてくれたじゃん!お母さんのこと!』











小さな女の子は微笑みながら言った。














俺は全く覚えていなかった。












『お礼なんていいから……早くお母さんのとこに戻りなよ……』










そう言い、歩き去ろうとした時!












『いい獲物発見!』












クロの声が近くで聞こえた瞬間、血が飛び散ってきた。















『お、に、い、ちゃん……助けて……』














小さな女の子はお腹に深い傷をおってしまっていた。














『ご、ごめん……』











ユウトは下を向き、言った。












『お、母さんのこ、と、たすけ、て……』













小さな女の子は俺に手を伸ばし、助けを求めてきた。











でも、俺はその手を取る勇気が無かった。














『お、ね、がい……』










そう言い、小さな女の子は目を閉じてしまった。











『俺には無理だ……ごめん、本当にごめん……ごめん……』












俺は何度も謝った。













周りを見渡すと、小さな女の子の母親がこっちへ走って来ていた。














だが、その母親は途中でお腹から血を吹き出した。















『は、な……今そばに、行くか、ら、待って、ね……』












母親のお腹からは血が止まらず吹き出していた。












それでも、諦めずに母親は歩いてこっちへ来ている。











倒れても何度も立ち上がって……。












俺は見てられなくなり、小さな女の子を母親の元まで運んだ。













『あ、ありが、と、う……』













その瞬間、母親は小さな女の子の隣に倒れた。















俺は目立たない所に二人を移動させ、その場から立ち去った。













































もうクロの姿は見当たらなかった。













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❣kanon❣
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更新が遅くなります。 適当に書いてるけど、良かったら見てくれると嬉しいです!