劇は沢山の拍手と共に終わった。
シンデレラの役になれて良かった!
そう、心から思った。
そう言ってくれるのは嬉しい。
でも、華奈の
あの笑顔
私の前ではあんなに笑わない。笑ったことがない。
ザカオさんには笑う…。
複雑だけれど、
そうやって笑いかけた。
体育館にいる人達に囲まれていると、
一人の生徒が駆け寄ってきた。
それは、梨々香達と居た男子
どうしてここに…、?
華奈達を気にも掛けず、続けた。
…へ?
私は戸惑いながら問いかけた。
…いやいや!なんでここにいるの!?
私は、
…大丈夫。
私なんかに謝るなんて、勿体ない。
そう思っても、口には出せないけどね?
気づいたときには、
14人グループとクラスの全員が私の周りに居た。
さっきの拍手ぐらいに
大きな声で、皆で笑った。
久しぶりに楽しいな。
そう一真が言った。
たまに優しい一真に、
こんなに素敵な人達が近くに居たんだなぁ…。
…別に
そう思ったけれど、無理だな。
皆乗り気だもん笑
でも、
私のことを思ってくれる人が居るのは
悪くないなぁ…。
次回_平和の意味
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。