3年の教室から私を呼んでいる。
その人はそういうと、階段を駆け下りてきた。
そっか、1年と3年の教室は近いんだっけ?
今あったことを話した。
はじめさんはそう言うと、
はじめさんと…?
はじめさんは小さな声で呟くように言っている。
また不思議そうな顔で私を見ている。
だって、絶対モテるじゃん?
私といたら…
も、もしかして…
自覚なし…!?!?!?
言っちゃおうか…。
噛んだ…やばい…
嫌われる、
可愛らしい笑顔に
太陽の光が当たって、天使のように見えた。
はじめさん、
どうして私を?
聞けないけどね。
私は、はじめさんについて行くのに精一杯で
文化祭という事を忘れそうになってきた。
その先には華奈とザカオさんがいた。
二人とも凄くいい笑顔で
とっても…幸せそう。
だって、ここに来たことが無駄にならなくて
嬉しいから。
はじめさんはベンチに手招きをした。
…あ、そっか。
自覚ないんだっけ?
でも、気遣ってくれる。
モテる訳だ…。
突然どうしたんだろう?
まあ…いっか。
お金…と言おうとすると、
スタスタとはじめさんは行ってしまった。
〜数分後〜
いや…!さすがに
先輩に奢ってもらうのは…
そう言いながらコーラを差し出してきた。
はじめさんは早速コーラを飲み始めた。
というか、さり気なく隣に座っている。
まあ…たまには
こんなのもいい…
かも?
ゆったりと時間が流れていくのを感じた。
不思議と答えてしまった。
はじめさんといると、
私が知らない私が出てくるような気がする。
後…ほんのちょっとだけ、
優しく答えてくれるはじめさんの声は
今まで無いくらい、優しい声だった…。
次回_華奈とザカオ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。