2人は、フードを深くかぶり 周りを伺っている 。
もしも、監獄の者だとバレてしまったら大惨事になるからだ 。
なのに、人目の多い祭りに誘うリツもどうかしているとヒナギは思った 。
リツは、少し微笑んだ 。
2人は顔を見合わせ、クスッと笑った 。
リツの言っていることはわからなかった 。
制服を着ている人は沢山いる 。
それに、変態なんて見分けがつくだろうか…
そう考えて、辺りをキョロキョロしていると
奥の路地裏に 女子の制服らしきものを着た人物が入っていった 。
リツは深刻な表情をして ヒナギの腕を引っ張り 走った 。
何故そこまで、必死になるのかわからないヒナギは走りながら混乱していた 。
ヒナギは口を押さえ、気分悪そうにしている 。
その理由は、声が男性だったからだ 。
遠目から見ても図体がでかい 。 どう考えても180㎝はあるだろう 。
後ろから聞き慣れた声が聞こえる 。
アズサと呼ばれた男は、前髪をかきあげ ニヤリと笑う。
アズサとリツは同時に「 そこまで普通じゃない 」と呟いた 。
ヒナギは驚いた拍子に大きな声で叫ぶ 。
聞いただけで吐きそうだ … 。
[ モブCが ] 頰を赤く染める 。
リツは、親指を下に向け 舌を出す 。
ヒナギは溜息をつく 。
そう言い、[ モブの ] 首筋を割れた瓶で突き刺す 。 瓶の先からは血が落ちてくる 。
[ モブは ] 血を止めようと、瓶の先を押さえるが 刺された部分からも血がドボドボ音を立てながら落ちてくる 。
そして 、 [ モブは ] 倒れた 。
鋭く尖った歯で[ モブBの ] 首筋を噛みちぎり、胴体から頭を外す 。 ちぎられた首からは大量の血が噴水のように出た 。
ヒナギも顔の大半が血を浴びた 。
[ モブCの ] 首はすぐ横の地面にへと転げ落ちた 。 白目を剥き、血を大量に流した 。 その頭をアズサは何度も何度も踏み潰した 。 頭蓋骨も粉々になるほど 。
そう言って、3人は色々な食べ物を買い、森の中へと去っていった。
[ 廃墟 ]
ヒナギは、手で口を押さえ 青ざめながらアズサとリツに聞く 。
ヒナギはゾクッと身体を震わせる 。
アズサは溜息をつく 。
アズサにしてはとても深い溜息だった 。
さっきよりヒナギの体調が悪くなった気がした。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!