第4話

第4話
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2018/12/07 09:19
ヒナギ
ヒナギ
リツ君からお誘いなんて珍しいね〜
リツ
リツ
まあまあ、たまにはいいだろう?
2人は、フードを深くかぶり 周りを伺っている 。
もしも、監獄の者だとバレてしまったら大惨事になるからだ 。
なのに、人目の多い祭りに誘うリツもどうかしているとヒナギは思った 。
リツ
リツ
実を言うと、僕の探している輩がこの祭りにいるから 暇そうなヒナギを連れてきたってわけだ 。
ヒナギ
ヒナギ
暇そうって…
そんな風に見えたの…?
リツ
リツ
暇そうってのは冗談だって。
ヒナギ、観察力高いだろ 。 だから、僕の探している輩をすぐ見つけ出せると思ったからだよ 。
ヒナギ
ヒナギ
成る程…
つまりは、その輩を探し出せばいいんだよね?
リツ
リツ
話が早くて助かる 。
リツは、少し微笑んだ 。
ヒナギ
ヒナギ
リツ君 そんな顔できるんだね〜
リツ
リツ
冗談にしては酷すぎじゃないかな?
ヒナギ
ヒナギ
いや、意外と本気だった 。
2人は顔を見合わせ、クスッと笑った 。
ヒナギ
ヒナギ
ところで、その輩ってのはどんな人?
リツ
リツ
まぁ、制服着た変態共といえば簡単かもな。
ヒナギ
ヒナギ
それってどう言うことだよ…
リツの言っていることはわからなかった 。
制服を着ている人は沢山いる 。
それに、変態なんて見分けがつくだろうか…
そう考えて、辺りをキョロキョロしていると

奥の路地裏に 女子の制服らしきものを着た人物が入っていった 。
ヒナギ
ヒナギ
ん…
女の子の制服を着た奴なら路地裏に入っていったけど…
リツ
リツ
…そいつだ 。
あとを追うぞ 。
リツは深刻な表情をして ヒナギの腕を引っ張り 走った 。
何故そこまで、必死になるのかわからないヒナギは走りながら混乱していた 。
モブ
これで釣れるんじゃな〜い?
モブB
いいわねェ♡
似合ってるわよ〜!
モブC
ウフフ♡
2人共ったらァ〜 お洒落してきたわねェ〜
モブB
当然よ〜
年に一度のお祭りよ 。
私たちから男共に逆ナンしてあげるわ♡
ヒナギ
ヒナギ
うぷ… 
ヒナギは口を押さえ、気分悪そうにしている 。
その理由は、声が男性だったからだ 。
遠目から見ても図体がでかい 。 どう考えても180㎝はあるだろう 。
リツ
リツ
僕がこの祭りに来た理由 …
あいつらを殺す為さ 。
ヒナギ
ヒナギ
僕はもう、関わりたくないんだけどね…
???
???
…2人とも偶然だな 。
後ろから聞き慣れた声が聞こえる 。
リツ
リツ
氷川か 。
本当に偶然だな 。
ヒナギ
ヒナギ
アズサ君じゃん 〜
ちょうどよかった〜
アズサ
アズサ
どうした?
僕に何か用でもあるのか?
アズサと呼ばれた男は、前髪をかきあげ ニヤリと笑う。
リツ
リツ
彼奴ら知っているだろ?
アズサ
アズサ
当然だな 。
彼奴ら詐欺師だろ 。 しかも、有り得ないやつな 。 馬鹿すぎて、忘れたくても忘れられないよ 。
ヒナギ
ヒナギ
アズサ君も知ってるの?
あんな図体も大きいから、サプリメントとか高額で売ってたのかなァ…
アズサとリツは同時に「 そこまで普通じゃない  」と呟いた 。
アズサ
アズサ
彼奴らは、結婚詐欺師だな 。
ヒナギ
ヒナギ
結婚詐欺師…ねェ



…結婚詐欺師!?
ヒナギは驚いた拍子に大きな声で叫ぶ 。
モブ
誰よ…!
モブC
盗み聞きなんて、失礼しちゃうわね!
聞いただけで吐きそうだ … 。
リツ
リツ
やあ、結婚詐欺師 。
君らまだ生きてたんだ 。
モブ
なッ
何処でその情報手に入れたのよ!
アズサ
アズサ
手に入れたも何も、お前ら結構な有名人だぞ 。
モブC
あら、有名人なんて照れるわね〜♡
[ モブCが ]  頰を赤く染める 。
リツ
リツ
残念だが、お前らの人生はここでthe endだ 。
リツは、親指を下に向け  舌を出す 。
モブ
な、何言ってるのよあんた!
モブC
気味悪いわよ!
ヒナギ
ヒナギ
いや、気味悪いのはこっちのセリフだし…
ヒナギは溜息をつく 。
リツ
リツ
今日からお前らの墓場はここだ 。
そう言い、[ モブの ] 首筋を割れた瓶で突き刺す 。 瓶の先からは血が落ちてくる 。
モブ
か…ッ  はァ!!
[ モブは ]  血を止めようと、瓶の先を押さえるが 刺された部分からも血がドボドボ音を立てながら落ちてくる 。
そして 、 [ モブは ] 倒れた 。
モブC
きゃああああああ!!!
ヒナギ
ヒナギ
悲鳴…五月蝿すぎ 。
鋭く尖った歯で[ モブBの ] 首筋を噛みちぎり、胴体から頭を外す 。 ちぎられた首からは大量の血が噴水のように出た 。
ヒナギも顔の大半が血を浴びた 。
モブC
ひ…あぁ…ッ
…おま…えらは!!
アズサ
アズサ
やっと気付いたようだね 。
でももう遅いよ 。
[ モブCの ] 首はすぐ横の地面にへと転げ落ちた 。  白目を剥き、血を大量に流した 。 その頭をアズサは何度も何度も踏み潰した 。 頭蓋骨も粉々になるほど 。
リツ
リツ
さて、終わったんで帰ろっか 。
アズサ
アズサ
何か食べ物買って行こうか 。
ヒナギ
ヒナギ
賛成賛成!!
そう言って、3人は色々な食べ物を買い、森の中へと去っていった。
[ 廃墟 ]
ヒナギ
ヒナギ
そういえば、さっきの結婚詐欺師だけどさ、なんかオカマっぽくなってたよね ?
でも、ちゃんとした男だから夫になるよな…??
ヒナギは、手で口を押さえ 青ざめながらアズサとリツに聞く 。
リツ
リツ
何いってんだ?
彼奴らは普通じゃない 。
勿論、女の方に行ったに決まっているじゃないか。
ヒナギはゾクッと身体を震わせる 。
アズサ
アズサ
今で言うゲイって奴だな 。
まったく、彼奴らもおかしな事を考えるものだ 。 まず、制服着た時点でよく警察にお世話にならなかったものだ 。
アズサは溜息をつく 。
アズサにしてはとても深い溜息だった 。
ヒナギ
ヒナギ
うっぷ…
さっきよりヒナギの体調が悪くなった気がした。

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