桐島先生はそう言って私の頭を撫でた。
それで、何故か私は声を押し殺して泣いた。
桐島先生は慌てながらそう言った。
潮目先生はそう言っていたずらっぽく笑う。
潮目先生はそう言って、桐島先生が着ていた白衣を
私に「ふわり」と被せた。
潮目先生は、優しく、優しく、微笑んだ。
その瞬間、私の大量の涙を止めていた
何かが壊れた。
本当は、怖かった。本当は、苦しかった。
先生が助けてくれたとき、小さな子供みたいに
泣きそうになった。
何で、この世にはスクールカーストというものが
あるのだろう。
なければ皆、幸せなのに。
楽しく学校生活ができたのに。
どうして、どうして、どうして...
涙が止まった頃、私はそんなことを口にしていた。
私が泣いてる間ずっと、優しく頭を撫でてくれた
潮目先生は、そう言って優しく微笑んだ。
...え?
え?どういうこと...?
桐島先生はそう言って笑った。
潮目先生はそう言って、昔話を始めた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。