第12話

#12
1,449
2018/11/28 12:04
カラカラカラ…
…僕、そらるさんのドナーになれるんだ。
まふまふ
まふまふ
そらるさんの…ドナーに…………
看護師
看護師
良かったですね、適合して
まふまふ
まふまふ
そう…ですね
天月
天月
まふまふっ!!
まふまふ
まふまふ
天月君っ
天月
天月
そらるのドナーに…なるの?
まふまふ
まふまふ
うん。そのつもり
天月
天月
そっか…
コンコンッ
そらる
そらる
…!
まふまふ
まふまふ
………こんにちは
そらる
そらる
どうしてまふが!?
看護師
看護師
貴方のドナーです
そらる
そらる
…は?
そらる
そらる
俺やらないって…!
看護師
看護師
最後になりますから、どうぞ
と言って看護師さんは出て行った。
そらる
そらる
天月
天月
まふまふ
まふまふ
そらる
そらる
まふ、俺の事…
まふまふ
まふまふ
貴方のドナーです。こんにちは
そらる
そらる
俺はっ…
僕は耐えられなかった。
ぽろぽろと涙が零れた。
そらる
そらる
まふ…?
天月
天月
まふまふ、ダメだよ、分かってるんでしょ
まふがハッと天月の方を見た。
まふまふ
まふまふ
ダメだよ…僕、そらるさんのこと大好きなんだもん、愛してるんだよ…
まふまふ
まふまふ
そらるさんが死んじゃうのは嫌だけど、、僕はそらるさんと生きたい…!!
そらる
そらる
まふ………?
そらる
そらる
やっぱり引き出しの…
まふまふ
まふまふ
ごめん…見ちゃったんだ
まふまふ
まふまふ
先天性心疾患…ねぇ、なんで僕に教えてくれなかったの!!?
僕はそらるさんの腕を思い切り掴んだ。
そらる
そらる
…ごめん
まふまふ
まふまふ
ごめんじゃないよ!!何で教えてくれなかったの!!
そらる
そらる
…ごめん
パシィン…
天月
天月
まふまふ…?
そらる
そらる
っ…
頬がヒリヒリする。
まふまふ
まふまふ
そらるさんのバカ!!僕がそんなに頼りない!?僕はそらるさんの事全て知ってたつもりだった!!隠し事なんてしてないと思った!!されてないと思ったのに…!
まふまふ
まふまふ
そらるさんは嘘つきですね…
そう言って、この前の様に白いカーテンの窓の縁に腰掛けた。白い髪や透き通った雪の様な肌は前と変わらない。前と変わるのは消えてしまいそうな柔らかな笑みだった。
まふまふ
まふまふ
有難う御座いました、そらるさん
柔らかく微笑んだ後、まふは窓辺から消え去った。
そらる
そらる
まふ…!!!!!!!!
もう俺が失うものは無い。まふがいればそれで良い。
天月
天月
そらる…っ!!
そらる
そらる
っ…!止めろ!!
窓辺から飛び出した俺を天月が引き込もうとする。
天月
天月
そらる!!ダメだよ!!
そらる
そらる
うるせぇ…!!離せ!!
天月をベットに蹴っ飛ばして、まふが消えた窓から飛び立った。
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