第4話

#4
1,539
2018/11/27 16:09
ピ…ピ…ピ……
真っ白で無機質な部屋の真ん中で心電図の音だけが響いている。
そらる
そらる
……
彼は何も言わず、ただ一点を見つめている。
──────────────────
ガラガラガラッ
まふまふ
まふまふ
そらるさん!!
僕は一目散にそらるさんに駆け寄る。
まふまふ
まふまふ
大丈夫ですっ…
パシンッ
そらる
そらる
誰だか知らないけど、触れないで貰えるかな
少し手がヒリヒリする。
そらるさんが僕の手を思い切り叩いたみたいだ。
まふまふ
まふまふ
そら…る…さん…?
そらる
そらる
何故俺の名前を知っているんだ?
まふまふ
まふまふ
僕の事……
そらる
そらる
君は一体誰なんだ??
まふまふ
まふまふ
……病室、間違えたみたいです。すいません
ガラガラガラ…
僕はその場に蹲った。
まふまふ
まふまふ
そら…る…さんっ……
まふまふ
まふまふ
僕の事…忘れちゃったんですか……?
まふまふ
まふまふ
僕…まふまふですよ…?貴方と一緒に居た…!!まふまふ…なのに…
まふまふ
まふまふ
僕…どうしたら良いのですか…?
僕の悲痛な声は、人通りの少ない廊下に虚しく響き渡るだけだった。

プリ小説オーディオドラマ