第6話

#6
1,474
2018/11/27 22:36
まふまふ
まふまふ
はぁっ…はぁっ………
まふまふ
まふまふ
っ…うぅっ…
僕はその場にしゃがみ込んだ。
此処は何処だか分からない。無我夢中で走った。
ぽろぽろと零れ落ちる涙を止める事は出来なかった。
もう僕はそらるさんが僕に向けてくれた笑顔や僕だけに見せてくれた色んな事だってもう僕は見れない。
僕じゃもうダメなんだ。
そらるさんは僕の事を忘れてしまったんだ。
もう僕は…
天月
天月
まふっ…‼‼‼
グイッ
まふまふ
まふまふ
わっ…
天月
天月
何やってんだよ!!?危ないだろ!?
どうやら僕は飛び降りようとしたみたいだった。
あとほんの数センチの所だった。
まふまふ
まふまふ
あっ…ごめん…天月君…
天月
天月
そらるんとこ!戻るぞ!
まふまふ
まふまふ
でも僕っ…そらるさんっ…!僕の事忘れて…っ
天月
天月
だから何だよ!思い出させれば良いだろ!!行くぞ!
まふまふ
まふまふ
…っ…分かった
天月君は僕とそらるさんの為に走ってくれるなんて凄いな。
後ろを振り向かない天月君の背中を見ていた僕は徐々にスピードが緩くなってきた。
…僕は他人に迷惑を掛けてばかりだ。
天月君にも、そらるさんにも。
キキィィィッ…‼‼
まふまふ
まふまふ
僕が横を向いた時には車はすぐそこまで迫っていた。
ドンッ
天月
天月
…!?まふまふ!?
天月
天月
おい!!まふまふ!!
僕の意識は朦朧としていて、天月君の声が少ししか聞こえない。
僕、迷惑かけてばっかりだな。
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