第2話

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2018/10/25 05:55


高校二年生最後の県大会。


今、私は市内にある陸上競技場にいる。

出場種目である四百メートル走の決勝戦まではもうすぐだ。


痛いほどに太陽の光が降り注いでいる。


ジリジリと日焼けした皮膚がさらに焼かれる。

けれど、そんなことはどうでもよかった。


今日は運命の日、自分の力を出し切る。

優勝して、蒼先輩に勝ったことを報告するのだ。


実を言うと、先輩は今日ここにいない。

長期入院している彼の母親が体調を崩し急遽病院へ行くことになったのだ。

仕方ないと思う。

もちろん側にいてくれたら嬉しいけれど、そんなことで気落ちする私じゃない。



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