【あれから1週間】
私はもう出れないと諦めていた
まぁ、この状態にされた時点で無理やと気づいてるんやけど…
今日は翔也は、夜から朝までの時間はバイトで居ない
この間が逃げるチャンスなんだけどこの手錠と縄をとらん以上は…
急いで縄をほどいて、荷物をまとめて家を出た
机の上に『ごめん』と書いた紙を置いて
これで家出は3回目…か…
シェアハウスには戻りずらいし…
今日はバイト休みやし…
夜だし…漫画喫茶にでも行こっかな…
その人が後ろにいたから誰かわからんかったけど、私のことを知ってる人やから翔也かシェアハウスのメンバー
リスナーだったら後ろ姿ではわからんと思うし…
私は走って逃げた
【数分後】
私は疲れ、その場で座り込んだ
顔を上げると…
私は涙が溢れた
【帰宅】
私はリビングで全てを話した
翔也の家に行ってたこと。
喫茶店で働いてた事。
喫茶店でツリメさん、カンタさんと会ったこと。
コンビニでモトキさんと会ったこと。
【1時間後】
あっ、そうだ…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!