前の話
一覧へ
次の話

第3話

謎の生命体
102
2019/02/07 10:22



❲図書室❳









源 美南
あった…!
赤田 将吾
どれ………
赤田 将吾
ああ、それっぽいな。



私と将吾は、図書室でmusical gameに関する本がないか
探していた。

私は表紙に「謎の生命体について」と書かれた本を将吾に見せた。
赤田 将吾
謎の生命体…
赤田 将吾
それって鬼のことか…?
源 美南
多分そうみたい。
それは本というよりレポートのような物で、何枚かの紙を
ホチキスで留めた簡単な物だった。



私は表紙をめくった。




____________________________






【謎の生命体について】








これは、2019年◯月に起こった出来事について述べる
物とする。






ある日、学校にいる全ての高校生にメールが届いた。
メールの送信元は「音楽家」。
内容は、これからmusical gameという名の鬼ごっこを
始める、という事だった。
学校には鬼が数体現れた。
体長2メートルほどはあり、まるで節分の鬼ような顔
をしていた。
クラスメートは次々と殺されていった。
金棒で頭を砕かれ、手足を引きちぎられ、内臓を取り出され。
今でも脳裏に焼き付いて離れない、友達の死に顔。
鬼には感情というものがないのだろうか。
生徒はまるで遊び道具のように殺された。

学校の外に出ようとしたものは殺された。
メールを拒否したものは殺された。
そして、音楽室に近づいたものも殺された。
音楽室から聞こえてくるピアノの音色には、何か
触れてはいけない秘密があるのだろうか。


…このデスゲームに、終わりはあるのだろうか。

そして私は、死んだ鬼の死体を解剖








____________________________






















その先は読めなかった。




長年放置されていたような、赤黒い液体が紙にベットリと
ついていた。





源 美南
…………。
赤田 将吾
前にも、musical gameは
行われていた…。
源 美南
2019年ってことは10年前だよね…。
赤田 将吾
ああ。
源 美南
ていうか、あやはどうして
鬼を殺す方法を知ってたの?
源 美南
この先は読めないのに…。
赤田 将吾
それが問題なんだ。
赤田 将吾
この先のページには全て
血がついていて読むことは
不可能。
赤田 将吾
おそらく、これを読んだ誰かが
故意で血をつけたんだと思う。
赤田 将吾
「この先を知ってはいけない」
とでもいうかのように…。


「この先を知ってはいけない」、か。



途切れた文章からして、鬼の構造とかが書かれていたのかな…?



源 美南
そしたら、あやが血をこの本に
付けてたっていう可能性も…
赤田 将吾
…あるかもしれない。









生徒の悲鳴が遠くから聞こえる中、私達は黙って



途切れた文章を見つめていた。















プリ小説オーディオドラマ