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第2話

にー
27
2018/11/12 10:23


「うぁぁ、めっちゃ可愛い。好き。」

スマホの中にいる太田くんを見て呟く。

多分これで50回目ぐらいだと思う。

本当に、尊い。

そんなこと考えてると、

「お前って太田のこと好きなのか!?」

と横から突然声かけられた

…誰だよこいつ。

オマケに机まで持ってるし。

隣の席だった人、多分丸山…丸岡だったかも。

丸岡もいなくなってるし

「誰ですか、隣は確か丸岡くんだった気が…」

「誰って酷くね!?それに今席替えしてるし」

「あぁ、だから丸岡くんじゃないんですね」

なるほど、席替えとかダルいからクジ引きするの忘れてたんだった。

クジ引く時間あるなら太田くん見たいし。

なんか、ごちゃごちゃと新隣の席の人は五月蝿いから放置でいいや。

と、携帯に目を戻すが五月蝿い。

私は、太田くんに浸りたいのに()

ちっ…と舌打ちして軽く睨んでやった

「わー、怖いわー」

と女子みたいな素振りをして怖がってる。

「なんなんですか、五月蝿いですね。」

「いやいや、だって青海ちゃんが質問に答えてくれないんだもん。」

もんじゃない。頬を膨らましても可愛くないぞ。

あ、太田くんなら可愛いかも。

「質問に答えたら静かにしてくれるんですか?」

「うん、静かにする!」

なんだこいつ、犬みたいだな。骨あげたら喜ぶだろうか…((

「それでね、質問なんだけど青海ちゃんって太田のこと好きなの?」

「うん。そうだけど?」

「ぶふ、凄い。即答なの!?」

「だって、人が好きになるのぐらい自由でしょ?」

「んー、まぁそうだけどさぁ。青海ちゃんには別の人がいいよ。俺とかさ!」

「…いや、遠慮します。太田くん一筋なんで」



この時の私は新隣の席の人の話を適当に聞いていた。

この時、ちょっとでも考えを変えていたら良かったと思う日が来るなんて……。





絶対来なかった。






「そういや、新隣の席さんはなんて名前なの?」

「新隣の席さんって俺の事!?」

「君以外居ないでしょ?左側窓だし。」

「ちょ、青海ちゃん面白いね」

お腹を抑えて笑い始めた。

どこが面白いのか。

五分くらい笑い続けて何か何かとクラス中の視線が集まる中急に真顔になったかと思えば

「新田空(アラタソラ)です!よろしく」

と、ウインクした。

笑いすぎて頭が可笑しくなったのかと思ったが周りから女子の黄色い声が聞こえたので自分がおかしいのだろうと思ってスルーした。


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