中学に入ってからずっといじめられてきた
なんかもう、慣れてしまった
なにも話さなければ、
石のように固まっていれば
3年なんかあっという間に過ぎていく
そう、主犯はアンナとリンナだけど
クラスメイトのほとんどが、私の敵
もっとも、いじめて来ないで見てるだけの子も
私の敵だけどね
でも、みんな、間違ってはないの
私は雑草と同類
または【それ以下】だもの
もちろん動くつもりはない
だって、雑草と同類だもの
雑草は基本的に動けないの
私の場合、、、家に帰る時と
学校に来る時、、、その時だけ動ける
バシャァァ
私は頭から水を浴びた
こんな価値のない奴が近くにいてごめんなさい
ドロォ
今度は、、、、、?
オイル、、、か、、、、
パシャパシャ
いろんな方向からシャッター音が聞こえる
それでも、動かない
ガラガラ
と、音を鳴らして先生が入ってきた
これで救われた
なんて、そんなに甘くはない
先生は私がいじめられている事を
知らないふりをしている
助ける気などないのだろう
また私は、石のように固まって、
卒業式を待つ
それが今私に出来ることだから
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!