劣 情
此れは在る、Terraの中に位置する國の話である。其の國では、ソーシャル・ネットワーキング・サービスが多岐に拡大していた。
大戦収束後、高度経済成長を遂げ、多数革新した機器を手頃な価格で発売していった。
高層ビルも立ち並ぶ都市から、和かな片田舎迄、侵食を拡げていったそれは凶器に等しいモノであるに違いがない……と、苦悩した人間が、此れ迄何人いたか。
在る親は子供の教育に悪いと阿鼻叫喚し、在る研究者は脳に酷な刺激を与えると言う。
子供は其れが敵だと、信じて疑わなかっただろうが──『自分』にとっては限りなく後悔させるモノだと存知したのだ……。
卑しい依存。疎かになる勉学。気付かずにいられる訳もない。
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update 2021/06/05