もう少しだけ…
人気音楽プロデューサーの石川啓吾は、昔の恋人の死後、かつてのように曲が書けず自堕落な生活を繰り返し、レコード会社には契約を切られそうになっていた。
一方、どこにでもいそうな普通の女子高生である叶野真生は、代わり映えのしない毎日にうんざりしていた。
そんな真生が夢中になれることといえば、石川啓吾の作った楽曲だけ。年内最後となる啓吾の日本公演を唯一楽しみにしていたが、チケットを入れていた財布の紛失により、援助交際でチケット代を手にしようとする。ウリに抵抗がある真生は性行為なしの約束で、一人の男と会う事になった。ところが男にホテルへと誘われ、話が違うと帰ろうとした時に、日常から抜け出したかったという男の言葉に同調し、性行為を了承してしまう。
後日、コンサートへ行ったその帰り道。啓吾の乗る車に遭遇した真生は雨の中を追いかけ、二人は出逢った。
それから数か月。好きな相手と一晩を過ごしたことで、うんざりしてた日々から抜け出した真生の姿があったが、ある日、交通事故で軽傷を負ってしまい、念のために検査をすることとなった。 久しぶりに日本へ帰国した啓吾は、真生に連絡を取り二人は再び会う約束をする。
当日。待ち合わせの前に病院へ向かった真生は、検査の結果で、自分がHIVに感染していることを告げられるのだった。
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update 2023/08/21